松沢呉一のビバノン・ライフ

寿司食いてえ—初めてのダイエット[3] (松沢呉一)

誰も知らない驚異のダイエット法(ウソ)—初めてのダイエット[2]」の続きです。

 

 

 

寿司が食いたい

 

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肉ばかり食べているので、その対極にあるさっぱりしたものが食べたくて、その象徴が寿司です。

私は回転寿司が好きで、よく行ってましたし、スーパーで寿司を買ってくることもよくありました。大きなスーパーに行くと、自分で選べるシステムになっていて、ネタの種類が少ないですけど、あれも楽しい。コンビニのチープな寿司も好きです。それらがすべて食べられない。

始めて1週間目くらいの頃、回転寿司屋の前で「どうしようか」と佇んだこともありました。くら寿司だったので(たしか一之江店)、「どうせ1時間待ちだろう」とその場を離れることに成功しました。1日1食は食べていいのですけど、始めて間もない段階で寿司を食べると、以降ずるずるになってしまいそうだったものですから。

寿司の禁断症状を克服すると「あれが食いたい、これが食いたい」とイライラするようなことは思ったほどはありません。「今日は寿司食いたいなあ」と思っていても、皆で焼肉に行くと腹がふくれて寿司のことを忘れるじゃないですか。ああいう感じ。なんか食べれば忘れる程度。

食事の類いで食いたくなったのは寿司と蕎麦くらい。こってりしたものは全然食べたくない。食事以外では、チープなドーナツを見て「うまそうだなあ」と思ったり、せんべい屋にフラフラと入りそうになったことがありますが、2週間を超えると、そういう欲求もどんどん減って行きます。そう思う回数も減るし、食いたいと思ってもさほど強くなくなる。

私が「糖質制限」ではなく、「炭水化物制限」という言葉を使っているのは、甘いものをカットするより、穀物をカットすることに重きがあるためです。実際、チョコは食ってましたから、甘いものへの渇望はそれほどではない。

あれだけ食べたかった寿司に対する欲求もやがては消えて、結局これまで一度も寿司は食べてません。

 

 

壁は長年の習慣

 

vivanon_sentenceやがて肉のローテーションに限界が来て、1週間を超える頃からはシチュー、カレーの類いがこれに加わります。

長年の癖で、カレーはどうしてもごはんが欲しくなって、3週間目に入ってからうちにあったパックのごはんを食べたりもしましたが、それがなくなってからはカレーだけ。

しかし、長年の癖も案外あっさりと消えるもので、そのうちカレーだけ食っても満足できるようになります。その分、肉と野菜をいっぱい入れます。

2ヶ月目からはそれまでより麺やパンを食べることが増えましたが、それでもせいぜい週に1回か2回です。どうしても食べたいというよりも、ファミレスが見当たらない時に蕎麦屋に入ったり、人と食事をする時に選択肢がなくてやむなく食べたり。

炭水化物制限の難点はこれです。外食の選択肢が思い切り減るのです。

 

 

 

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