炭水化物を食べないことによる問題(なんてたいしてないけれど)—初めてのダイエット[5] (松沢呉一)
「2ヶ月で15キロ(推測値)の減量に成功—初めてのダイエット[4]」の続きです。
どうしたってマイナス点は出てくる
前回書いたように2ヶ月で12キロから15キロほど痩せました。ダイエットで苦労して、金もかけている人たちがいくらでもいるのに、私ときたら、そもそもそれが目的ではなく、たいした努力もしていないのに申し訳ない。
ネットで検索すると、炭水化物を摂らないのは危険と警告している人たちがいますが、一切食べないのは危険だとして、一切食べないのは相当に難しい。餃子やシュウマイを食って、フライや天ぷらを食っていれば、ちょっとずつは食うのだし、それでも不安な人は私のように穀物主体のメニューは1日1食に制限するルールにしてもいい。現実にはそんなに食ってないですけど。
「家族がいて、自分だけ別のメニューにしにくい」「昼は会社の食堂で食べることになっていて、ごはんと麺とパンのメニューしかない」なんて人たちもいましょうけど、これはどんな食事制限でも起きることであって、今まで3食だった人は2食に、2食だった人は1食にすればよろしいかと。
アバウトでいいんですよ。現に私はそれで痩せたのだから。
しかし、3食欠かさず炭水化物を食べる生活をしてきていない人だとこうも顕著には減らないでしょうから、あくまで私のようにほぼ毎食米や小麦を摂取している人ならではの減り方だったかと思います。そういう人じゃなければもっと苛酷なルールが必要ですけど、なにごともやりすぎは禁物であります。
実際、3ヶ月目に入ってからはほとんど変化がありません。これについてはまた詳しく書きますが、すでに「ビバノンライフ」を見て炭水化物制限を始めている人たちが出てきているので、先に注意事項を書いておきます。
私程度でも負の効果が少し出ましたから、苛酷にやればやるほど、負の効果は出やすくなりましょうし、私程度でも体質などによっては強く負の効果が出る可能性がありそうです。以下を読んで、それでも苛酷な炭水化物制限を試みる人を止めはしません。あとは自己責任で。
マイナス点1:力が出ない
検索するとだいたい皆さん書いていることですけど、力が出なくなります。底力がなくなると言いますか、踏ん張りがきかないと言いますか。
そんな感じがする程度であって、とくに私の場合は歳のせいで底力がなく、踏ん張りももうきかないですから、顕著に変わったわけではありませんけど、道を歩いている時に、足がふらついたことがあります。目眩がしたわけでもないのにまっすぐ歩けない。
3秒くらいでしたし、1回だけでしたけど、あんな体験は今までないので、炭水化物が足りないせいでしょう。腹が減っていたわけではないですが、空腹のあまり足下がふらつくのと一緒です。あるいはこれもたんに歳をとったせいかな。
ふらついたことがあっても、歩く程度の運動においてはたいしてエネルギーはいらないので、「前は1時間歩けたのに、今は30分しか歩けない」なんてことはまったくなくて、今も1時間なら平気で歩きます。寒いこの時期は2時間は歩きたくないですが、体が軽くなったので、歩くのが楽になったような気がしないではなくて、逆上がりや懸垂がまたできるかも。
しかし、エネルギー源が失われるわけですから、仕事上動き回らなければならないような人だと、もっともっと強く感じそうです。引っ越し屋、道路工事、鉄工所など力仕事に従事する人、プロレスラー、サッカー選手、オリンピックに出る人たちは避けた方がよさそうです。あと、高いところの足場を移動する建設現場で働く人はふらつくと命取り。
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