社内恋愛・社内セックスが懲戒になる条件—懲戒の基準[9]-(松沢呉一)
「出張先でのセックスで起きた事故は労災の対象か?—懲戒の基準[8]」の続きです。
このシリーズは「ネトウヨ春(夏)のBAN祭り」からスピンアウトしたものなので、図版がない時は祭りの写真を使っています。
くら寿司の場合
昨今話題の懲戒としてはくら寿司です。
炭水化物制限を始めてから一度も寿司を食ってないですが、回転寿司の中では、くら寿司が一番好きです。楽しい趣向や他にないネタがいっぱい。そのくら寿司でなんてことをするのかと。
こういったケースでは、まず店内でやってはいけないことをやって撮影をしているわけですから、その段階で懲戒処分にされていい。さらに、それを公開したことによって店の信用を落とした。こっちもアウト。ツーアウト。
大きな飲食チェーンだったら、どっちも就業規則に入ってましょうし、損害賠償請求をしたら確実に勝てそう。
寿司はまだ食わないですが、くら寿司のハンバーガーを食べに行くかな
個人の領域での言動が会社の懲戒処分になるケース
懲戒処分は予め就業規則等で定められている範囲でしかなされないことになっています。法律が「この行為は懲戒にしていい」と定めているわけではなく、雇用者と被雇用者との間で、「この行為は禁止ですよ。反したら懲戒ですよ」という約束を取り交わしていて、その約束の中でしか懲戒はなされません。
だからといって、なんだって懲戒にする規則にはできず、その範囲を労働契約法が定めていて、「客観的に合理的な理由があること」「社会通念上相当であると認められること」が要件です。
会社から離れたプライベートの時間になされたことであっても会社の懲戒対象になるのは、まずは会社の信用を落とすなど、会社に直接的な不利益をもたらすことをやった場合です。
くら寿司の件も、投稿自体は、業務時間外でしょうけど、どこでやろうと会社で不利益をもたらすようなことはたいていの会社で懲戒の対象に入っているはずです。
秘密裏に進行しているプロジェクトのことを社員がインターネットで公開したら懲戒対象になっていい。場合によっては解雇もやむなしです。個人の時間に個人のパソコンでやったとしても、それによってこのプロジェクトが失敗して、大きな損失が生じたら、懲戒解雇の上、損害賠償請求されることもあります。
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