松沢呉一のビバノン・ライフ

猥褻でも芸術でも見せたい人が見せ、見たい人が見られるように—そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?[11]-(松沢呉一)

「猥褻で何が悪い」論は成立しない—そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?[10]」の続きです。

「わいせつ2」「わいせつ3」だのといった分類が出てきます。「日本の「わいせつ」分類と改善すべき範囲—そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?[9]」を参照のこと。

 

 

 

「猥褻で何が悪い」が引続き成立する範囲

 

vivanon_sentence前回、「猥褻で何が悪い」論は無効であると書きました。しかし、引続き、刑法175条の「わいせつ物頒布罪」に限定した場合は有効です。わいせつであろうとなかろうと、出版するのは自由、それを購入し、所持するのも自由。

また、174条の「公然わいせつ」も、「わいせつ2」を完全に切り離した時には、「わいせつ3」と「わいせつ4」を区別することなく、まとめて合法ということでいいと私は思うのですが、現実にはそうはならないと思います。今まで同様に「わいせつ3」と「わいせつ4」の間には線を引くことになると予想します。

具体的に見ていきましょう。

私は海外のフェティッシュ・パーティなんて行ったことがないですが、写真や動画を見ると、全裸の人たちがいたり、ピアスを入れた性器を出していたりしますし、セックスしているのもいます。また、米国でもヨーロッパでも大規模なスワッピングパーティが行なわれています。

たとえばベルリンのインソムニア(Insomnia)というフェティッシュ系クラブの宣伝用動画を観ると、その様子がよくわかります。

埋め込みができないのでYouTubeへ。年齢制限あり。

 

INSOMNIA – “Sleepless Night in Berlin”

 

 

ナチスに潰されたヴァイマル退廃文化は今もベルリンで息づいているって感じです。

日によって趣向は違いますが、この映像では日本のSM系ハプバーのノリ。日本にもそういう店はあるわけですが、摘発された例もあって、今なおいつでも摘発され得ます。しかし、ドイツでは堂々こういう営業ができていて、その様子を公開していることが決定的に違います。

 

 

すべて丸出しの劇団テアトロ・オフィチーナ

 

vivanon_sentence続いてこちらを御覧下さい。と言ってもパート3まであって長いですのですので、暇な時にでも観てください。

 

 

 

 

 

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