中国の不自由・日本の不自由—そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?[横道編 11]-(松沢呉一)
「ビジネスチャンスを潰す法と全裸合コンの思い出—そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?[横道編 10]」の続きです。
気になる香港状勢
昨日、香港ではついに警察がデモ隊に発砲。
2019年8月25日付「日本経済新聞」
香港の様子がどうにも気になって、よく香港・立場新聞の中継を観ています。発砲シーンは観てないですが、昨日は雨の中、逮捕者も多数出ていて、連行されるところは観てました。
先日、Facebookに、Chinaziという言葉について書きましたが、この言葉を知ったのも立場新聞ですし、あそこに出した落書きも立場新聞の生中継で見つけたものです。
もう一点追加。これも中継から。
デモ側も火炎瓶を使ってますから、このままエスカレートしていくと、中国共産党は香港を武力制圧するかもしれず、そうなったら天安門事件の再現です。
あの時代とはさすがに違うので、天安門事件をふたたび起こすようなことはないだろうとの見方が優勢ですが、Chinazi中国共産党に常識は通じない。
また、その時にはさすがに中国各地で呼応して起ち上がるのが出てくるだろうから、中国共産党も簡単には踏み込めないだろうとも思ったりしますが、全土で蜂起が起きる可能性は限りなく低い。
それこそ民衆側があの時代とは違う。天安門事件は風化し、それより目先の生活向上の方が優先でしょう。頑張ればいい生活ができる夢が見られる国になりましたから。
中国人留学生が香港デモに反対する事情
香港以外の中国人たちは香港の抵抗をどう見ているのか、以下の記事を読むとよくわかります。
2019年8月22日付「GIGAZINE」より
香港のデモに共感するどころか、国外に出ている中国人留学生たちは香港のデモを支持する各国の行動を妨害しています。日本でもやってます。その理解しがたい行動を解説したものです。
中国人留学生たちは学生の連合体による横のつながりが強く、国外にいても監視されている状態が続いています。そのため、同性愛者でも堂々と行動するのは少ない。台湾からの留学生とは全然違う。
内心、香港のデモに共感しながらも表明できずにいる学生がいるとしても圧倒的に少ないでしょう。外的な力で香港デモに連帯する動きを妨害しているというよりも、内的動機の方が強いのだと思います。つまりは本当にそれがいいことだと思ってやっている。その方がタチが悪い。
中国人の大多数は、香港の人たちが何を求めて何に抵抗しているのか理解できず、ただ暴れているようにしか見えないのです。
不自由がデフォルトと化した社会
この記事の前半で説明されているのは共産党のプロパガンダが隅々まで浸透していることですが、後半では感情までがコントロールされていることが指摘されています。
「人は自分の中にある思考の枠組みを超える思考は理解ができにくい」という普遍的な法則がここには働いています。情報がコントロールされ、感情がコントロールされ、発想もコントロールされています。しかし、その枠組みの中ではコントロールされていることも意識しにくい。「現にそう感じている私」が基準になるからです。
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