松沢呉一のビバノン・ライフ

コンビニから雑誌が消え、社会から政治が消える—消えるのはコンビニの「エロ雑誌」だけではない[2]-(松沢呉一)

「外国人はポルノが嫌い」をギャグにする外国人—消えるのはコンビニの「エロ雑誌」だけではない[1]」の続きです。

あと数回続く予定だったのですが、かったるい内容なのでボツにして、前回と今回で終わりにし、次回から別シリーズです。

 

 

 

どうせエロ雑誌は消えて行く

 

vivanon_sentenceコンビニからアダルト向けの雑誌が消えることに対してはさほど力を入れて反対するようなことはしてきませんでした。「ビバノンライフ」では「現実を見ることもなく異常と言い出す異常—性差別とされるものの中身 6」で書いたくらいです。

そこで説明したように、私が長らく仕事をし、馴染みもあるエロ雑誌は成年誌成人誌と言われる18禁の指定があるものであり、そもそもコンビニでは扱われていないですし、「スナイパーEVE」も消えたように、漫画ジャンルを除くと、もはや風前の灯火です。漫画の成年誌も安泰とまでは言えないでしょうが、漫画は女性ユーザー向けも多く出ていますから、まだましではありましょう。

対してコンビニのアダルト向け雑誌は、成年誌の指定がなく、本来、18歳未満にも販売可能なものです。私がエロ雑誌と言う時にはこれらを意味しません。

これも指摘したように、コンビニで販売されてきた雑誌の中には、コンビニ主導で作られ、コンビニだけで販売していた雑誌は少なくない。販路がすべてなくなるのですから、今回の措置で、これらは廃刊でしょう。

それも徐々に売れなくなってきていて、コンビニでの扱いも悪くなってきてました。コンビニはシビアなので、売れないものは扱わない。遠からず、これらを扱わなくなることは避けられず、その時期が早まっただけなので、ここで踏ん張っても仕方がない。

※コンビニからのエロ雑誌排除の報道でも、コンビニのエロ本と書店売りの成年誌は違うことを指摘していない記事の方がずっと多く、触れていても間違えているものがあります。この記事は今回の問題を正確にとらえていようかと思います。今年の1月のものですが。

 

 

コンビニの雑誌コーナーは縮小から廃止へ

 

vivanon_sentence印刷物としてのエロが消えていくのは時代の必然であり、そういう存在になったからコンビニも切り捨てました。

こういった流れの中でコンビニからの排除は、ゆるいエロまでも消える時期を早めたにせよ、遅かれ早かれ消える運命であり、雑誌コーナー自体が早晩消えます。

以前から雑誌コーナーは縮小される傾向にあって、アダルト雑誌が消えたことで、縮小から廃止への流れに加速がつくでしょう。週刊誌や女性誌ももう売れないですから、コンビニへの貢献は減ってきています。

女性誌がここまで続けて来られたのは中国のおかげという話を「北京ビキニと天安門広場の全裸—そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?[横道編 2]」に書きましたが、その時代ももう終わりました。女性誌はコンビニで販売している率が高いはずですから、雑誌コーナーがなくなるときれいに部数は低下します。エロ本が消えるとともに少なからぬ女性誌は消えていくでしょう。

もともと雑誌コーナーをコンビニが優遇していたのは、現に売れていて、コンビニの取り扱い商品としては単価が高めだったためですが、外から見えるところに雑誌コーナーを置いて立ち読み客を呼び、防犯対策にするためだと聞いたことがあります。実際かつてはそうなっているコンビニが多かったのはそういう理由があったためだろうと推測しています。

 

 

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