セックスの相手に内面を求めるか、求めないか—女の顔フェチ[中]-[ビバノン循環湯 542] (松沢呉一)

2019年09月30日 11時12分　
カテゴリ：オナニー • ビバノン循環湯 • フェチ • ヤリマン・ヤリチン • 乳 • 性器 • 顔
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「チンコの好き嫌いを語る女たちと語れない女たち—女の顔フェチ[上]」の続きです。「女たちも見た目のいい男が大好き—田中美津インタビューの疑問点 8」も参照のこと。

女が社員採用を担当すると見た目を重視するという説

企業で社員採用を決定する権限をもっているのは今も男が多い。企業もそんな余裕がなくなってきているだろうが、同性に対しては仕事ができるかどうかを重視、女に対しては仕事の能力よりも見た目を重視ということがなおあるかもしれない。

つまり、「人を見た目で判断する」という性質に性差があるのでなく、それが発揮される機会に性差があり、男のみにそういう性質があるかのように見えてしまう現実に、性による格差が存在する社会が反映されているってことだ。

しかし、男たちの中にも、女たちはそういう基準で男を選ばないって思い込んでいるのがいる。んなことないって。

あるマスコミ関係者が言っていたことだが、女が人事を担当すると、男より見た目を重視してしまうため、修正が必要になるのだそうだ。男の応募者は見栄えのよさで採用し、女の応募者は見栄えのいいのをはねる。「同性である女は実力優先」ならまだしも、あえて美人を外すため、「美人で能力が高い」のが消えてしまい、男が選別する以上に質が悪くなるという。

そうもきれいに男女差が出るとは思えないけれど、そういう個人が出てきてしまうことについてはありえる話だと思った。顔の趣味を発散する場がないだけに、そういう場を与えられると、思い切り個人の趣味を出してしまうのはいそうだ。

この時に、「男は見た目で選ぶ」と批判されてきているため、叩かれないように、男は仮にそうしたくても自制する。しかし、「女は見た目で選ぶ」という通説がなく、叩かれにくいため、そこで自制が働かず、自身の感覚をそのまま出してしまうのがいるんだろうと思える。

現に「男は見た目で女子を採用する」と批判的に語ったところで、「そういうことってありそう」と思われるのに対して、「女は見た目で男子を採用する」と批判的に語る人はあまりいない。そう言った途端にそれもまた「性差別だ」とされそう。同じことを言っているにもかかわらず。「女は公正で冷静な判断力がある」という見方も十分に偏向していると思うがな。

そういう傾向が出ることがわかっているってことは、この会社は女性が人事を担当することがあるわけで、そういう機会が増えて、「女は見た目で選ぶ」という非難が広まってくると、いずれは自制が働くはずだが、私は女がどんどん人事を担当して、ルックスで男の社員を選んだっていいんじゃなかろうかとも思っている。

ルックスも才能のうちである。「それだけ」はまずいし、「自分の好み」だけの判断もまずいが、見た目も評価していい。一切外部との接点のない部署は別にして、外部との接点のある部署であれば、見た目の印象も重要になってくるのだから、そういう部署においても「見た目」を評価しないのはかえっておかしい。そこを考慮しない価値観があたかも正しいとされることは歪んでいる。

※Battista di Domenico Lorenzi「Alpheus and Arethusa」1568–70　貧乳と粗チン