松沢呉一のビバノン・ライフ

灰野敬二や丸尾末広は中国人に人気・市場大介や石川次郎はフランス人に人気—日本のアンダーグラウンド・シーンを支える外国人の客たち-(松沢呉一)

 

オリンピックのチケットと腕時計

 

vivanon_sentence香港メディアが報じてましたが、東京オリンピックのチケットが中国で高値で転売されているんですってね。

ちょっと前にSPA!も報じています。中国では人気チケットは数倍になっていて、開会式A席は最高価格144万円ですってよ。公式価格が30万円というのも今頃知って驚いてます。

国内では転売を禁ずる法がなかったとしても、100万以上出すのはまずいないでしょう。中国だからこそですし、中国ではこれを取り締まる法がないようなので、正しく需要を反映した価格になっていると言えます。

話は変わって、中野ブロードウェイは秋葉原と並ぶ「オタクの聖地」とされるわけですが、いつまにやら、腕時計の店も増えました。腕時計は宝飾の街である御徒町が拠点ですが、中野ブロードウェイがそれを凌駕しつつあって、今や「腕時計の聖地」とも言われ、 これらの店が中国人のバイヤーや観光客を集めてます。

こっち方面に全然詳しくないので、オタク系の店のようにごった返しているわけではない、それらの腕時計屋を見て、「やっていけるのかな」と勝手に心配していたのですが、オリンピック開会式の中国価格より高い値段がついた時計がズラリと並んでいて、そういった商品が一日にひとつ売れるだけでやっていけます。高い時計は買い取り価格も高そうではありますが、それでも30万円の時計がひとつ売れれば余裕でやっていけそう。単価の高い商品は金のある少数の客がいればいいのです。

その中国人たちとはかぶらないでしょうが、なんの関係もなさそうなタコシェも、中国人のお客さんに支えられています。もともとフランス人のマニアは多かったのですが、しばらく行かないうちに、そんなことになっていたました。

※中野ブロードウェイの「かめ吉」のサイトより

 

 

灰野敬二も丸尾末広も中国で人気

 

vivanon_sentence数年前に亡くなったモダーンミュージックの生悦住さんに聞いて初めて知ったのですが、音楽分野でも、日本のアンダーグラウンド・マーケットを支えているのは中国人です。モダーンミュージックがやっていたPSFレコードも中国からのオーダーが多く、とくに灰野敬二が人気だと言ってました。

中国でもメジャーな人気のはずはないのですが、人口が多いのでオーダー数はバカにならない。あっちに比べると、日本のCDは高いですが、それでも売れる。

その話を聞いて、「ホントかよ」と思って中国のSNSを調べたのですが、ノイズ、アヴァンギャルド系のミュージシャンや漫画家はのきなみフォーラムがありました。参加者数で人気がわかり、丸尾末広はあちらでも人気、田亀源五郎も人気。クレヨンしんちゃんやドラえもんも人気ですが、その辺は漫画家というより作品やキャラが人気で、メジャーな漫画家は意外に人気がない。手塚治虫もたいしたことはありませんでした。

SNSに入り込むのは面倒なので、今、百度百科(中国のWikipediaみたいなもん)で調べたら、灰野敬二、丸尾末広、花輪和一、日野日出志らは項目がありました。

 

 

「百度百科」より灰野敬二の項目

 

 

日本では高い人気があるとは言い難い市場大介はフランスで展覧会をやり、作品集も発売されてます。 石川次郎も同様。中国のSNSでも意外な人気の人がいたと思いますが、誰だったか忘れました。西岡兄妹だったっけな。

 

 

next_vivanon

(残り 1444文字/全文: 2861文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック