松沢呉一のビバノン・ライフ

「わいせつ表現規制を考える@高円寺パンディット」で考えたこと—そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?[13]-(松沢呉一)

日本のわいせつ裁判—そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?[12]」の続きです。

 

 

 

今後も174条に重きを置きます

 

vivanon_sentence10月19日、高円寺パンディットで開かれた、うぐいすリボン主催「わいせつ表現規制を考える① そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?」はちょうどいいくらいの客入りで、会場からの活発な発言も続いて、国会議員、弁護士、大学教員など、このテーマに強い関心と一家言のある人たちが集まっていた感があります。私自身が学ばせていただきました。

このことに数十年間こだわり続けているような人々しか来ていないのであれば先細りですが、若い世代も来ていました。彼らとは朝方まで一緒にいたのですが、二人とも大変優秀です。大学生の標準であろうはずもなく、相当に特殊な存在ではありましょうが、こういった存在から、より広い層の関心事になって欲しいものです。

うぐいすリボンの周辺の人たちはおそらく漫画表現に関心があって、少なくともそこにきっかけがある人たちが多いのでしょうが、私の関心事においては、漫画はワンオブゼムであり、ストリップやハプバーの摘発に対しての方が強い怒りがあります。間違って見たくない人が見てしまう余地はないにもかかわらず、どうして法で禁じられなければならにないのか。また、欧米+αにおいては許容されている猥褻ではない全裸表現が日本ではできないことに対しても大いに疑問があります。

より関心を抱く人たちを増やすために、引続き私個人は、174条にこだわっていった方がいいとパンディットで思いました。現状の刑法174条、175条においてもっとも改善が容易なパートは「ストリップ劇場、ハプバー、ハッテン場(この場合のハッテン場はマンションの一室で営業されているヤリ部屋のこと)、乱交パーティのように、そのことに合意している人しか参加せず、第三者が間違って通りかかって見てしまうことがない閉鎖的な私的空間で行なわれる行為」であり、だったらそこにこだわっておくかと。

あの日はそこまで話が至ってないですが、これらは風営法に関わります。現状でもストリップ劇場は風営法の対象です。ハプバーやハッテン場は、風営法の届けがなくても、営業が可能です(届けが必要な業態もありましょうけど)。乱交パーティやスワッピングパーティも風営法の対象外です。問題は公然わいせつだけです。

この辺はそのままでいいのか、あるいは改正が必要なのかについて議論の余地は残るにしても、これらが現状違法ではあることの理不尽さは理解を得やすい。この部分さえ改善されればいいというわけではなく、とっかかりとしての一般性があるのはこの部分です。

※撮影:永山薫 お手上げの私。それにしても老けたなあ。

 

 

 チリのスペンサー・チュニック

 

vivanon_sentenceあの場で私が話した「エロ中継の連続摘発」「ナチュリズム」「演劇と全裸」「ダンスと全裸」「プロテストと全裸」「ワールド・ネイキッド・バイク・ライド(WNBR)」「ボディペインティング」「ミロ・モアレ」「スペンサー・チュニック」「We the Nipple」「日本のわいせつ分類」といったテーマについてはより細かく「ビバノン」で説明してきていますので、参照してください。また、「日本のわいせつ裁判」については重要な裁判でヌケているものが複数あったため、加筆しておきました。

その辺は繰り返しになるので飛ばすとして、これ以降は、「ビバノン」で触れてきていない内容を書いていくことにします。

くどいかと思って、リストアップしてあった「わいせつではない全裸」の映像は全部は見せなかったのですが、「ビバノン」でも出しておらず、あの日も見なかった動画をひとつ出しておきます。

2002年にスペンサー・チュニックがチリで撮影した時の様子です。

 

 

 

 

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