松沢呉一のビバノン・ライフ

クラッシュ・ナイトとエロ・リテラシー—『マゾヒストたち』[無料記事編 9]-(松沢呉一)

第二回「わいせつ表現規制を考える」のゲストは早大エロ漫画研究会—『マゾヒストたち』[無料記事編 8]」の続きです。

 

 

 

クラッシュ三昧の夜

 

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10月19日、パンディットで行なわれた1回目の「わいせつ表現規制を考える」が終わって、打ち上げに最後まで残っていたメンバーと、深夜、クラッシュ系のポルノ鑑賞会をしました。足でバナナやケーキを踏みつぶしたり、車で缶コーラを潰したりする映像を見続けているうちに、皆さん、だんだんコツがつかめてくる様子が面白かったな。

以下は公開されたばかりの最新のフードクラッシュものです。年齢指定のついたポルノですので、18歳未満は決して観ないようにしてください。

 

https://www.youtube.com/watch?v=lFYdq5fg3Tw

 

SMというとヒールだと思われがちですが、クラッシュではスニーカーやサンダルの方がいいという人たちがよくいます。表面積が大きい靴でためらいなく思い切りやって欲しい。顔の踏みつけもヒールが目に入ると危険で、スニーカーやサンダルが好まれます。

しかし、危険だからこそやって欲しく、自身の代わりにクラッシュ系でヒール潰しの欲求を満たす人もいます。パンストフェチもいます。さらに靴の中に入りたい人もいます。これはニオイ・フェチとかぶっていそうです。

それらの要望をすべて満たす親切なポルノでした。あえて言うなら私は素足派なので、素足がないのが惜しいところです。

 

 

クラッシュ系とリテラシー

 

こういう映像ばっかりvivanon_sentenceわいせつ表現規制を考える」のあと観続けていたのですが、あのイベントに来ていたのは、性表現とくに漫画の性表現に関心や造詣のある方々ですから、クラッシュ系の理解が早いことに感心しました。エロ・リテラシーが高いのです。

「わいせつ表現規制を考える」の二回目に登場する早稲田大学エロ漫画研究会の2人もここにいました。

エロ表現を見ていくと、性の対象が変換したり、変容したりすることを頻繁に体験しますから、自身を物に投影することまではすんなりわかる。そもそも漫画や小説なんてインクでしかないわけですから、人間のみがなし得る高度な脳内変換のワザです。

また、とくにオタクってわけではなくとも、私らの世代にはウルトラマンのぬめぬめした質感に欲情したというのもいます。これはラバーフェチにも通じます。

下着に欲情する人たちを見ても、物に欲情することはさほど珍しくもないですが、元氣安のような山頂フェチもいて、何にどう欲情しているのかわかりにくい。物ではなく、高さだったり、景色だったりですけど、それらから得られる気持ちの良さを彼は性的な刺激に変換できるのです。海から昇る初日の出でオナニーできますからね。元氣安は超人ですよ。

こういった脳内変換にマゾヒズムが加わるとクラッシュ系になります。

クラッシュ系は「人の性的欲望とはなんなのか」を知る格好の素材で、通常は性的な意味合いを感じ取れないはずの映像でもポルノたり得ることが見えてくるのがとてつもなく刺激的であり、それに気づくと、自身の中でクラッシュ回路が生まれてきて、「あ、その踏み方エロい」って感覚が少しずつわかるようになります。

「何が多数派か」は言えるとして、「何が性的か」については、個々人が個々人の事情を決定することしかできないってことがクラッシュから学べます。

対して、性表現を規制したがる人たちはリテラシーが欠落している人たちが多く、自身がエロと感じる薄い理解でしか話ができない。「私の感覚」が世界共通と考えるため、話が噛み合ないわけです。このギャップをどう埋めればいいものか。

「世界はマゾでできている」にクラッシュ系のゲストは来ないですけど、人間における性の深淵を知るには格好のイベントになろうかと思います。早稲田大学エロ漫画研究会をゲストに迎えての第二回「わいせつ表現規制を考える」もよろしく。

続きます

 

 

以下はテンプレです。

 

 

世界はマゾでできている—松沢呉一著『マゾヒストたち』(新潮文庫)発刊記念

マゾしか出ません!!

 

 

 

本年5月をもって休刊となった「スナイパーEVE」で連載していた「当世マゾヒスト列伝」が『マゾヒストたち』として新潮文庫に登場。

18人の選び抜かれたマゾ男の精鋭たちのインタビューとコラムで構成された希有なM男たちの肖像。
その発刊を記念して、マゾヒストたちの生の声を聞きます。

女王様がいてのM男ですが、女王様は出ません。
M男が主人公のイベントです。

 

【出演】
松沢呉一(生活マゾ)

【スペシャルゲストのマゾたち】
クニオ(露出・身体改造・性豪・包茎自慢の変態)
山田龍介(元キックボクサー・ヤプーズマーケット代表)
紅葉(盲目のピアニスト・マゾ)

予定していたゴン太さんは欠席となりました。その代わりに変態界の大物が急遽出演決定。『マゾヒストたち』には登場しない人物ですので、当日までお楽しみに。

※本イベントは16禁です。15歳以下の方はご遠慮ください。

 

 

【会場】

高円寺パンディット

☎︎090-2588-9905


 

【日時】

2019年11月17日(日)

開場/ 13:00
開演/ 13:30

2時間半程度を予定しています。

 

【参加料金】

<お得な本付き料金>

前売 ¥2,500  当日 ¥2,600

<本なし料金>

前売 ¥2,000 ¥当日 ¥2,500

※いずれもドリンク別です。

予約はパンディット(二種の予約は入口が別になってます)

またはFacebookのイベントページで「参加予定」をクリックするだけで予約扱いになります。当日、どちらかを選択のこと。

 

ゲストのプロフィール

 

クニオ 思春期から裏山でセックスを始め、十代でストリップ劇場の楽屋まで出入りするように。以来、全国のストリップ劇場を回り、同時にトルコ風呂にも行くようになった。自身がマゾという自覚はないが、性器に傷をつけて黴菌をつけて化膿させるのが好きで、SMショーにもMとして出演している。自身が身体改造マニアという自覚はないが、ピアスを体中に入れて銭湯に通っている。包茎が自慢で、包茎サークルのメンバーでもある。

山田龍介 ブロのキックボクサーだったが、マゾに目覚めて、名古屋の北川プロのビデオにデビューし、多数のビデオに出演。最多本数に出たマゾ男優かもしれない。結婚し、子どももいたが、家庭を捨てて、マゾとして生きることを決意して上京。浅野ナオミ女王様の奴隷として軟禁生活を送ったあと、監禁専門ビデオメーカー・ヤプーズマーケットの代表に。同社の出演者はヤプーと呼ばれ、経営者・制作者にしてヤプー0号として出演もしている。

紅葉(もみじ) 幼少期に事故で両眼を失明。盲学校に通いながら、ビンタをされたい願望が高まる。数学専攻で国立大学に進んだあと、ピアノの勉強のため、ポーランドに留学。帰国後、自身の欲望を抑えられず、単身、SMクラブに乗り込み、数学、ピアノに続いてマゾとしての実践を開始、V&Rの作品に出演してマゾ男優としてデビュー。本に掲載されたインタビューの段階では独身だったが、その後、結婚。当日はマゾの結婚生活についても聞けるはず。

 

 

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