松沢呉一のビバノン・ライフ

男のマゾはスラット(あばずれ)の同類にして対極—『マゾヒストたち』[無料記事編 5]-(松沢呉一)

マゾのイベントにマゾの客は来ない—『マゾヒストたち』[無料記事編 4]」の続きです。

 

 

日本初のスラット・ウォーク

 

vivanon_sentence11月3日(日)に、日本初のスラット・ウォーク「あばずれ上等デモ!」があるそうですよ。

 

 

 

 

あばずれ、ヤリマン、売女が好きな私も遠くから応援しています。

スラット・ウォークについては昨年「良妻賢母主義は生きている—勘で読んだ辛酸なめ子著『女子校育ち』(5)」で触れています。

あばずれは社会が望む女の規範から外れることです。淫乱、浮気女、ヤリマン、暴力的、言葉が汚い、生意気などなど。汚い言葉遣いについて、望ましき女という規範から叱責したコラムを朝日新聞が掲載したことを決して私は忘れない。今時、「私は上品な言葉を心掛ける正しい女です」というアピールをする女の物書きがいるとは信じ難いです。戦前の女学校出か。

規範から外れる女たちを制裁する女たちがなぜ出てきてしまうのかについては、今準備中の記事で明らかにする予定ですが、あばずれると、内面化した規範を疑わない人々が足を引っ張ってきます。そんな人たちは無視してあばずれまくりましょう。

なにしろ日本初のことなので、「何を着たらいいのか」と悩んでいる人たちもいるようですが、ジャージがいいんじゃないかな。ヤンキー系。あばずれの多様性を見せるため、言葉が汚い暴力系あばずれとしてヤンキー系も参加して欲しい。ジャージのブランドはナイキでもいいけど、それよりアシックス。

私が好きな女のファッションはジャージと寝間着用の着ぐるみです。着ぐるみは一時の汚ギャル系を象徴してます。寝ていた格好のまんま渋谷に出てくるアバウトさがたまんねえ。

※「良妻賢母主義は生きている—勘で読んだ辛酸なめ子著『女子校育ち』(5)」に書いたように、トロントの警察官の発言のどこが問題だったのかについては正確に把握しておいた方がいいと思います。「被害者を責めること」はアウトですが、「被害者に注意を呼びかけること」自体はおかしくない。「外出時に鍵をかけよう」「オレオレ詐偽に注意しよう」と呼びかけることと同じです。そこに道徳規範が入ることが問題です。

 

 

最下層に位置する男のマゾたち

 

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「男を下から支える」のが規範的女性であるなら「男を上から踏みつける」のが女王様です。

「女をリードして連れ歩く」のが規範的男性であるなら「女にリードをつけられて連れ回される」のがM男です。

両者とも望ましい女、望ましい男からの逸脱ですが、社会からの視線は全然違います。

女の汚い言葉遣いを嫌う人たちにとっては女王様ほどはしたない存在はいないでしょうが、それでも女王様だったら、「カッコいい」と言われます。戦前の女学校出は別にして、そちらの評価が今の日本では主流でしょう。対して、マゾの男はただひたすらバカにされ、「キモい」と蔑視されます。

自身がマゾじゃなくても、女王様はカッコいいと肯定的に感じる男は多いものです。また、M的女に対して、守ってやりたいと感じる男も多いでしょう。

しかし、M男にそう感じる女は相当に少なく、その何倍、何十倍も蔑視する人が多い。男でも、「肛門に腕が入るなんてカッコいい」と感じる私のような人間は相当に少ない。

つまり、男に対する規範の方がより強いのだと見ることもできます。

その結果、男が上位、女が下位のはずの社会において、マゾの男は大多数の女たちにも軽蔑される最下層に転落します。かつてはゲイもその地位にあって、両者は「女の腐ったような」という形容をされましたが、ゲイは地位向上に成功しつつあって、残っているのはマゾの男たち。

だから、M男たちは通常そのことを公言しない。バレることを極端に恐れます。蔑視されるのが嬉しい人たちではあっても、信頼関係のある相手、敬愛する相手にいたぶられるのが嬉しいだけで、なんの興味もない人に蔑視されたら、普通に腹が立つ。それもまた喜ぶ人がいるのがマゾの深淵ですが、たいていは仕事や生活で支障が起き、家庭が壊れることは避けたい。

皆が「ウンコ食えるなんてカッコいい」と言い出したら、マゾの立場がなくなりますから、誉め称える必要はないのですけど、こういう人たちがいるってことは知っておいた方がいいし、そこから学べることがあるってことにも気づいた方がいいと思います。

つうことで、11月17日はパンディットへ。

※7月いっぱいで閉店した六本木ミストレスでの青山夏樹×蒼武蔵のショー。これはカッコいいマゾとして受け入れられる人が多そうです。カッコいいマゾになるならジムに通わなきゃ。

続きます

 

以下はテンプレです。

 

 

 

世界はマゾでできている—松沢呉一著『マゾヒストたち』(新潮文庫)発刊記念

マゾしか出ません!!

 

 

 

本年5月をもって休刊となった「スナイパーEVE」で連載していた「当世マゾヒスト列伝」が『マゾヒストたち』として新潮文庫に登場。

18人の選び抜かれたマゾ男の精鋭たちのインタビューとコラムで構成された希有なM男たちの肖像。
その発刊を記念して、マゾヒストたちの生の声を聞きます。

女王様がいてのM男ですが、女王様は出ません。
M男が主人公のイベントです。

 

【出演】
松沢呉一(生活マゾ)

【スペシャルゲストのマゾたち】
クニオ(露出・身体改造・性豪・包茎自慢の変態)
山田龍介(元キックボクサー・ヤプーズマーケット代表)
紅葉(盲目のピアニスト・マゾ)

予定していたゴン太さんは欠席となりました。その代わりに変態界の大物が急遽出演決定。『マゾヒストたち』には登場しない人物ですので、当日までお楽しみに。

※本イベントは16禁です。15歳以下の方はご遠慮ください。

 

 

【会場】

高円寺パンディット

☎︎090-2588-9905


 

【日時】

2019年11月17日(日)

開場/ 13:00
開演/ 13:30

2時間半程度を予定しています。

 

【参加料金】

<お得な本付き料金>

前売 ¥2,500  当日 ¥2,600

<本なし料金>

前売 ¥2,000 ¥当日 ¥2,500

※いずれもドリンク別です。

予約はパンディット(二種の予約は入口が別になってます)

またはFacebookのイベントページで「参加予定」をクリックするだけで予約扱いになります。当日、どちらかを選択のこと。

 

ゲストのプロフィール

 

クニオ 思春期から裏山でセックスを始め、十代でストリップ劇場の楽屋まで出入りするように。以来、全国のストリップ劇場を回り、同時にトルコ風呂にも行くようになった。自身がマゾという自覚はないが、性器に傷をつけて黴菌をつけて化膿させるのが好きで、SMショーにもMとして出演している。自身が身体改造マニアという自覚はないが、ピアスを体中に入れて銭湯に通っている。包茎が自慢で、包茎サークルのメンバーでもある。

山田龍介 ブロのキックボクサーだったが、マゾに目覚めて、名古屋の北川プロのビデオにデビューし、多数のビデオに出演。最多本数に出たマゾ男優かもしれない。結婚し、子どももいたが、家庭を捨てて、マゾとして生きることを決意して上京。浅野ナオミ女王様の奴隷として軟禁生活を送ったあと、監禁専門ビデオメーカー・ヤプーズマーケットの代表に。同社の出演者はヤプーと呼ばれ、経営者・制作者にしてヤプー0号として出演もしている。

紅葉(もみじ) 幼少期に事故で両眼を失明。盲学校に通いながら、ビンタをされたい願望が高まる。数学専攻で国立大学に進んだあと、ピアノの勉強のため、ポーランドに留学。帰国後、自身の欲望を抑えられず、単身、SMクラブに乗り込み、数学、ピアノに続いてマゾとしての実践を開始、V&Rの作品に出演してマゾ男優としてデビュー。本に掲載されたインタビューの段階では独身だったが、その後、結婚。当日はマゾの結婚生活についても聞けるはず。

 

 

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