松沢呉一のビバノン・ライフ

ついに時代はここまで来た—女風(じょふう/女性向け性風俗)の隆盛とその背景-(松沢呉一)

※追記があります

 

女風ブーム到来

 

vivanon_sentence

BLとAVと女性客—『マゾヒストたち』[無料記事編 3]」で取り上げた蒼武蔵さんは女風(じょふう)でも働いてます。女性向け性風俗のことです。この略称は数日前に青山夏樹さんに教えてもらったばかりです。覚えた言葉をすぐに使いたくなる性格です。

彼はいい仕事をすると思います。プロ意識が強く、自分の見られ方を意識していると同時に、他の人のこともしっかり見ています。東京レインボープライドのフロートに乗った時の様子、新宿二丁目のDragon menでダンサーをやっている時の様子を見て強く感じました。接客業の基本です。

なお、夏樹さんに縛られている時は自身を見つめていて、周りに意識は広がってないと思いますが、縛られている側はそれでいいのです。

女性向けの性風俗は以前から散発的に登場しては消えていきました。その一例は「女性向けソープランドの失敗—性差別とされるものの中身 3」を参照してください。失敗したのはあれだけではなくて、「女はセックスに金を使う習慣がないから成立しない」ともよく言われていました。

しかし、20年ほど前から、売り専の店に来る女性客が増え始めます。それまでにもいたのですが、店によっては半数程度が女性客になってました(「女の客も相手にするノンケの売り専ボーイたちに聞く」参照)。

その頃から出張ホストが話題になっていきます。それらは地味に続いているだけだと思ったのですが、ここに来てマーケットが急増して、続々全国に店ができているそうですよ。

ボルノを利用する女たちの増加に続いて、性風俗でも女性利用率が上がってきたのです。ついにこういう時代が来たかと感慨深い。

※7月いっぱいで閉店した六本木ミストレスでの青山夏樹×蒼武蔵のショー

 

 

ここに来てマーケットが拡大している事情

 

vivanon_sentenceBLとAVと女性客—『マゾヒストたち』[無料記事編 3]」に書いたように、そんもんとっくに出ているのに「女性向けのAVがない」とふざけたことを言う人たち同様に、「男は遊ぶところがあるのに、女向けの風俗がない。男社会だ、女は差別されているぅ」と言う人たちがいますが、それは昭和の話ね。

あるいは「AVや風俗は男が経営し、女を搾取し、男が消費する」とのステロタイプな見方を捨てられないのもいますが、それは神原元弁護士ね。そうであれば批判しやすい、そうであれば女の道徳は壊れていないと思い込めるってだけで、現実とは無関係。女風は経営者もスタッフも女性率が高い印象です。

ブームとも言える状況が出てきた事情はいくつかありそうです。全体としては男女の就職格差はまだあるとして(前に書いたように、相変わらず就職に不利な学部を選択しておいて就職ができないと嘆くのはどうかと思いますが)、また、出産と育児による仕事のブランクが生む不利を受けやすいのは事実として、正社員の給与における男女格差はほとんどなくなっていますから、金の余裕のあるのが増えていることは間違いない。「全体として」ではなく、個別に見た時には月に数万円、性欲処理のために使えるのはいくらでもいます。男と一緒です。

※蒼武蔵在籍の店「ジェントルマン東京

 

 

next_vivanon

(残り 2482文字/全文: 3824文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック