松沢呉一のビバノン・ライフ

ROYAL BLUEオープニング・パーティで見た幸福な人々—『マゾヒストたち』[無料記事編 12]-(松沢呉一)

SMで知る「全人類に通用する心理と行動の原理」—『マゾヒストたち』[無料記事編 11]」の続きです。

 

 

ROYAL BLUE始動

 

vivanon_sentenceこのところ、よく名前が出てくる青山夏樹さんが新しくSMクラブを立ち上げました。ROYAL BLUEです。

 

 

 

夏樹さんは以前から、「古い時代のSMクラブを復活させたい」と言ってました。古い時代のSMクラブというのは、女王様が高い技術を持ち、安全性も考慮したプレイを提供し、それがわかる客だけが集まるようなクラブです。店舗でのクラブ経営が難しくなった時代には、技術や安全性がどうしてもなおざりにされてしまう傾向があって、女王様から女王様への知恵の伝達もされにくく、結果、好きな人ほど離れてしまいます。しかし、店舗なしでも可能なはずというのが彼女の考えです。

「今から行ける?」といったお気楽な客を排除するため、電話での問い合わせは受け付けないそうです。そういう客には、直前にキャンセルしてきたり、黙ってすっぽかしたりするのが一定の率でいますしね。

関心のある方はTwitterのこのアカウントをフォローしてアプローチしてください。初心者でも大丈夫。夏樹さんはエロいお姉さんなので、そんなに怖くありません。

11月11日から始動し、その前日、都内某所で、そのお披露目+集団調教+集団講習のような会が開かれました。すっごい面白くて、4時間があっという間でした。

アシスタントや私を除いて、女王様が5名、参加者が7名。この参加者は全員M男です。いいバランスです。

 

 

2時間で女王様らしくなる

 

vivanon_sentenceこの日、私がもっとも注目したのは新人女王様です。2名は鞭を使ったことも、尻に指を入れたこともないまったくの未経験者らしく、最初はおそるおそる鞭打ちをしてました。

この鞭は夏樹さんが先頃ショーをしてきたロンドンで買ってきたケインです。鞭というより(これもムチと読みます)です。

日本だと昔は竹を使ったものですが、このケインは籐製で、イギリスの寄宿舎つきの学校で教員や寮長が、悪いことをした生徒のケツをこれで叩くわけです。華奢にも見えますが、細身なので痛そうです。対してケツ叩き用のラケットは面積が大きいので、そんなに痛くない。

最初2人はケインでペチペチやっていたのですが、夏樹さんが「もっと思い切ってやらないとダメ」と言って、手本を見せました。夏樹さんが使うと、ビュンビュン音がして、M男さんは絶叫。

笞も鞭も思い切りが必要です。とくに鞭は勢いをつけないと先が安定せず、叩いてはいけないところに当たったり、先が脇に回って、不要な痛みを与えてしまいますし、見た目もだらしがない。

しかし、夏樹さんが指導して叩き慣れてくると、新人さんたちは見事に鞭を使えるようになって、バラ鞭でいい音を出せるようになってました。きれいに体に当たると弾ける音がするので、鞭の巧い下手は音でわかります。

それとともに、表情も笑い声もすっかり女王様になってました。

※鏡にぶら下がっているのがケイン

 

 

解放された喜び

 

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新人さんの一人は昼の仕事をやっているため、顔は出せません。職場によっては、服務規定上はともあれ、副業にもうるさくなく、バイトで女王様をやっていることを公言しているのもいますが、大多数は学校や職場ではそのことを隠しています。公言していいことは何もないですから。

男の同僚たちは、副業規定違反を別にすると、「面白いことやってんな」「ボンデージが似合いそうだな」と思うことはあっても、また、「彼女が働いている店には行かないようにしよう」と思う隠れM男はいても、そのことをとやかく言うのはあまりいないんじゃなかろうか。私の感覚なので、実際のところどうかわからないですけど、たぶんそうです。

対して女子社員の中には「あなたのために忠告しておくけど、そういうことはしない方がいいと思うよ」とおせっかいしてくるのがいそうです。「もし相手の体が傷ついたらどうするの」とか「将来子どもが知ったらどう思う?」とか。

相手の体に傷をつけ、場合によっては一生残すのも仕事なのだし、子どもを生むかどうかもわからんべ。なんだったら、カッコよかった頃のお母さんの写真を子どもに見せたっていいんだし。「うちのお母さんは若い頃、女王様だったんだって」と語る二代目女王様もいて、「子どもに言えないこと」という決めつけ自体が失礼極まりない。

女が女という枠から外れることを嫌う女がいるんですよ。うぜえ。ちなみにこれを書いたのは、「女の行動について女の方がうるさく、他者に抑圧的」という話を聞いたばかりだからです。SMではないんですけど。

そういう抑圧の中にいるからこそ、女王様になると解放されます。他者を抑圧する人々こそが女王様を生み出しています。

続きます

 

 

以下はテンプレです。

 

 

 

世界はマゾでできている—松沢呉一著『マゾヒストたち』(新潮文庫)発刊記念

マゾしか出ません!!

 

 

 

本年5月をもって休刊となった「スナイパーEVE」で連載していた「当世マゾヒスト列伝」が『マゾヒストたち』として新潮文庫に登場。

18人の選び抜かれたマゾ男の精鋭たちのインタビューとコラムで構成された希有なM男たちの肖像。
その発刊を記念して、マゾヒストたちの生の声を聞きます。

女王様がいてのM男ですが、女王様は出ません。
M男が主人公のイベントです。

 

【出演】
松沢呉一(生活マゾ)

【スペシャルゲストのマゾたち】
クニオ(露出・身体改造・性豪・包茎自慢の変態)
山田龍介(元キックボクサー・ヤプーズマーケット代表)
紅葉(盲目のピアニスト・マゾ)

予定していたゴン太さんは欠席となりました。その代わりに変態界の大物が急遽出演決定。『マゾヒストたち』には登場しない人物ですので、当日までお楽しみに。

※本イベントは16禁です。15歳以下の方はご遠慮ください。

 

 

【会場】

高円寺パンディット

☎︎090-2588-9905


 

【日時】

2019年11月17日(日)

開場/ 13:00
開演/ 13:30

2時間半程度を予定しています。

 

【参加料金】

<お得な本付き料金>

前売 ¥2,500  当日 ¥2,600

<本なし料金>

前売 ¥2,000 ¥当日 ¥2,500

※いずれもドリンク別です。

予約はパンディット(二種の予約は入口が別になってます)

またはFacebookのイベントページで「参加予定」をクリックするだけで予約扱いになります。当日、どちらかを選択のこと。

 

ゲストのプロフィール

 

クニオ 思春期から裏山でセックスを始め、十代でストリップ劇場の楽屋まで出入りするように。以来、全国のストリップ劇場を回り、同時にトルコ風呂にも行くようになった。自身がマゾという自覚はないが、性器に傷をつけて黴菌をつけて化膿させるのが好きで、SMショーにもMとして出演している。自身が身体改造マニアという自覚はないが、ピアスを体中に入れて銭湯に通っている。包茎が自慢で、包茎サークルのメンバーでもある。

山田龍介 ブロのキックボクサーだったが、マゾに目覚めて、名古屋の北川プロのビデオにデビューし、多数のビデオに出演。最多本数に出たマゾ男優かもしれない。結婚し、子どももいたが、家庭を捨てて、マゾとして生きることを決意して上京。浅野ナオミ女王様の奴隷として軟禁生活を送ったあと、監禁専門ビデオメーカー・ヤプーズマーケットの代表に。同社の出演者はヤプーと呼ばれ、経営者・制作者にしてヤプー0号として出演もしている。

紅葉(もみじ) 幼少期に事故で両眼を失明。盲学校に通いながら、ビンタをされたい願望が高まる。数学専攻で国立大学に進んだあと、ピアノの勉強のため、ポーランドに留学。帰国後、自身の欲望を抑えられず、単身、SMクラブに乗り込み、数学、ピアノに続いてマゾとしての実践を開始、V&Rの作品に出演してマゾ男優としてデビュー。本に掲載されたインタビューの段階では独身だったが、その後、結婚。当日はマゾの結婚生活についても聞けるはず。

 

 

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