松沢呉一のビバノン・ライフ

「世界はマゾでできている」は大盛況でした[上]—『マゾヒストたち』[無料記事編 16]-(松沢呉一)

セックスを語れない社会の末路—『マゾヒストたち』[無料記事編 15]」の続きです。

 

 

 

空前のマゾ・ブーム到来

 

vivanon_sentence一昨日、高円寺パンディットで行なわれた「世界はマゾでできている」は大盛況でした。パンディットには出演者分を入れて椅子が50あるのですが、足りなくなって立ち見が出ました。

私が生きているうちに、まさかマゾの時代が来るとは思いませんでした。オリコン上位曲はマゾの曲、ヒットする映画はマゾ映画ばっかりになり、村上春樹がマゾ小説を書く日も遠くありません。

パンディットで、昼の部に連日やっていたBLイベントが今年いっぱいで終了するため、代わりに毎日マゾ・イベントをやろうかと思いましたよ。

ご来場の方々には、私が言っている「後ろ向きの強靭さ」「マゾはチャレンジャー」「マイナス方向のポジティヴさ」の意味が十分おわかりになったかと思いますし、女のマゾと男のマゾが違うことも実感として理解できたかと思います。

マゾヒストたち』を読んでいただいても、その辺は伝わりましょうが、本人の語りだと、リアリティがまた違うってものです。ホントにいいイベントだったと思います。

※会場では一枚も写真を撮ってないので、パンディットのある高円寺北中通り商店街の写真です。

 

 

マゾ話のハイライト

 

vivanon_sentenceゴン太さんが欠場になったため、急遽、代役として元氣安に出てもらうことになりました。彼はSかMか自分でもわからず、山頂フェチではあっても、物に欲情するフェチとは根本的な仕組みが違うので、何がなんだか理解しにくい。

そのため、「マゾしか出ません!!」と銘打ったのが誇大広告になりかねず、当日まで名前は伏せてましたが、トークで説明したように、M性は自覚しにくいところで多くの人に潜在しているものですから、誰が出てもいいとも言えます。

また、通常不快と感じる刺激を快に転じる能力のある人たちがマゾであり、元氣安は通常性的にならない快を性的な快に転ずる能力のある超人なので、転じる内容と向きが違うだけとも言えます。最初に元氣安の話を聞いて、マゾの意味合いがよりスムーズに理解できたのではなかろうか。

他の方々の話も私自身が楽しめました。インタビューしてからけっこうな年数が過ぎてますので、私も初めて聞くその後の話が新鮮だったのです。

クニオさんは、インタビューのあと再婚していて、それ以降も会ってはいるのですが、そのことを本人から詳しく聞いたのはこの日が初めてです。

クニオさんは、インタビューの時点では、仕事のことは書かないで欲しいということだったのですが、今回はNGなしとのことでした。本職は刀鍛冶で、楽屋でこの話を詳しく聞いていて、すごく面白かったのですよ。さして技術がなくても、表面的にはきれいに研ぐことができるのですが、顕微鏡で拡大すると、熟練者と初心者は違い、切れ味も違うって話とか。

SMにはなんにも関係がないので、壇上では触れませんでしたが、「形だけなら緊縛は初心者でもできるけど、顕微鏡で見ると縄が違う」という話につなげればよかったかな(顕微鏡で見ると一緒ですが、縛り方がはっきり違います。熟練者は安全性重視ですし、血管や神経をきつく押さえると、長い時間縛れないので、締まり切らないように縛ります)。

これも壇上で触れなかったですが、クニオさんは仲人をたくさんやっています。結婚後、お嫁さんからの相談があって、だいたいは「夫はセックスが弱い」という相談だそうです。自分の親や友だちにもなかなか相談できず、距離がある上に、エロジジイのクニオさんだから聞けるのです。

ピアスだらけの体で銭湯に行っているくらいで、誰にも隠し事のない人ですから、新郎新婦もクニオさんが変態のエロジジイであることは薄々であれ、知っているわけです。

社会にはエロオヤジが必要です。エロオバンでもいいんですけど、男は女に、女は男に相談しやすかったりして、セックスレスで悩んでいるのは妻の方が多そうです。

クニオさんはストリップにも造詣が深く、もっとも長く追い続けているのはストリップです。これもほとんど触れませんでしたが、『マゾヒストたち』である程度触れているので、まあいいか。

※高円寺駅北口公衆便所の写真です。終わったことでホッとしたのか、急に下痢をして、ここに駆け込みました。

続きます

 

以下はテンプレです。もう終わりましたが、どういうイベントだったかわかるように、残しておきます。

 

 

世界はマゾでできている—松沢呉一著『マゾヒストたち』(新潮文庫)発刊記念

マゾしか出ません!!

 

 

 

本年5月をもって休刊となった「スナイパーEVE」で連載していた「当世マゾヒスト列伝」が『マゾヒストたち』として新潮文庫に登場。

18人の選び抜かれたマゾ男の精鋭たちのインタビューとコラムで構成された希有なM男たちの肖像。
その発刊を記念して、マゾヒストたちの生の声を聞きます。

女王様がいてのM男ですが、女王様は出ません。
M男が主人公のイベントです。

 

【出演】
松沢呉一(生活マゾ)

【スペシャルゲストのマゾたち】
クニオ(露出・身体改造・性豪・包茎自慢の変態)
山田龍介(元キックボクサー・ヤプーズマーケット代表)
紅葉(盲目のピアニスト・マゾ)

予定していたゴン太さんは欠席となりました。その代わりに変態界の大物が急遽出演決定。『マゾヒストたち』には登場しない人物ですので、当日までお楽しみに。

※本イベントは16禁です。15歳以下の方はご遠慮ください。

 

 

【会場】

高円寺パンディット

☎︎090-2588-9905


 

【日時】

2019年11月17日(日)

開場/ 13:00
開演/ 13:30

2時間半程度を予定しています。

 

【参加料金】

<お得な本付き料金>

前売 ¥2,500  当日 ¥2,600

<本なし料金>

前売 ¥2,000 ¥当日 ¥2,500

※いずれもドリンク別です。

予約はパンディット(二種の予約は入口が別になってます)

またはFacebookのイベントページで「参加予定」をクリックするだけで予約扱いになります。当日、どちらかを選択のこと。

 

ゲストのプロフィール

 

クニオ 思春期から裏山でセックスを始め、十代でストリップ劇場の楽屋まで出入りするように。以来、全国のストリップ劇場を回り、同時にトルコ風呂にも行くようになった。自身がマゾという自覚はないが、性器に傷をつけて黴菌をつけて化膿させるのが好きで、SMショーにもMとして出演している。自身が身体改造マニアという自覚はないが、ピアスを体中に入れて銭湯に通っている。包茎が自慢で、包茎サークルのメンバーでもある。

山田龍介 ブロのキックボクサーだったが、マゾに目覚めて、名古屋の北川プロのビデオにデビューし、多数のビデオに出演。最多本数に出たマゾ男優かもしれない。結婚し、子どももいたが、家庭を捨てて、マゾとして生きることを決意して上京。浅野ナオミ女王様の奴隷として軟禁生活を送ったあと、監禁専門ビデオメーカー・ヤプーズマーケットの代表に。同社の出演者はヤプーと呼ばれ、経営者・制作者にしてヤプー0号として出演もしている。

紅葉(もみじ) 幼少期に事故で両眼を失明。盲学校に通いながら、ビンタをされたい願望が高まる。数学専攻で国立大学に進んだあと、ピアノの勉強のため、ポーランドに留学。帰国後、自身の欲望を抑えられず、単身、SMクラブに乗り込み、数学、ピアノに続いてマゾとしての実践を開始、V&Rの作品に出演してマゾ男優としてデビュー。本に掲載されたインタビューの段階では独身だったが、その後、結婚。当日はマゾの結婚生活についても聞けるはず。

 

 

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