松沢呉一のビバノン・ライフ

フェミニストという商売は楽しいらしい—上野千鶴子と女言葉[上]-(松沢呉一)

 

上野千鶴子がまーたやりました

 

vivanon_sentenceまたこの人か。また朝日新聞か。この人にも、こんな記事を出すメディアにもうんざりです。

 

 

そのセックス、やってて楽しいの?

私がセックスワークや少女売春になぜ賛成できないかというと、「そのセックス、やってて楽しいの?あなたにとって何なの?」って思っちゃうからなのよ。自分の肉体と精神をどぶに捨てるようなことはしないほうがいいと思う。自分を粗末に扱わない男を選んでほしい、だってそっちの方が絶対セックスのクオリティが高いもん。

 

 

私がこれを知ったのは、この記事が出てから3日経っていて、すでに批判がたくさん出ていました。

中でもおはなさんの「セックスワークは仕事だ」はいい文章です。

 

 

 

とくに冒頭に出てくるこの一文。

 

あくまで「わたしの感想。」Twitter10年生、主語はできるだけ小さく。

 

南智子がそうであったように、「私は私の事情を語れるけれど、他の人のことまではわからない」という当たり前の姿勢です。実際、わからんでしょ。だから、必然的に主語は小さくなる。

対して少なからぬフェミニストたちは「私の感想」を思いっきり拡大して男と女という主語で語りたがります。世の中の男と女のことはすべてわかっているかのように。その尊大な高見から、自分が理解できない「個」を切り捨て蔑視する。「中国人は〜」「韓国人は〜」「黒人は〜」として蔑視する人たちと同じです。

上野千鶴子は「フェミニストって何に向かってるの?」という問いに対して、こう答えてます

 

その答えはたったひとつ。「差別しないで人間として尊重してほしい」。

 

ご自身はこれを実践する気はなさそうで、生きているうちに実践できるようになるといいですね。自分ができていないことを他人に求めるな。

 

 

上野千鶴子の女言葉

 

vivanon_sentenceこれ以上私が批判を重ねるまでもないので、この内容についてはここまでとして、前から気になっていたことを書いておきます。以下は上野千鶴子個人を批判するものではありませんので、誤解なきよう。

上野千鶴子の話し方は歯切れがよくて、話し言葉を聞いている分にはとくに不自然には思わないですが、ラフな場での会話を文字に起こしたものを読むと、女言葉の語尾が出てきます。以前指摘したように、上野千鶴子は「女/女性」「男/男性」という言葉の使用についてはフラットになっているのに、どうして言葉で自身が女であることを強調するのか、良妻賢母と密接に関わる女言葉をどうしてそうも使うのか不可解でした。

 

 

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