松沢呉一のビバノン・ライフ

立ちションをする女王様と包茎を自慢する変態—包茎復元計画[5]-(松沢呉一)

女の立ちションと男の包茎はつながっている—包茎復元計画[4]」の続きです。

 

 

 

確実に伸びているチンコの皮

 

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前々回書いた事情から、24時間包茎にするのではなく、銭湯のように人前に出る時だけ偽装包茎にして、「この人は包茎なんだな」と思わせています。

皮は、湯船の中で伸ばすようにしているだけですが、それでも確実に長くなってきているように感じます。「見るからに」ってわけではないのですが、ふだんも気づくと包茎になっていることがあるのです。これは偽装包茎ではなく、真性包茎です。通常の「真性包茎」とは意味が違いますが。この季節は寒くてチンコが縮こまるせいでもあるのですが、皮が伸びたとしか思えません。

皮を伸ばすにはふたつの方法があって、ひとつは口を広げる方法。体に対して左右に広げる。もうひとつは体に対して垂直に伸ばす。体から遠ざけるように伸ばすわけです。

最初の頃は、やりやすいので、左右に広げる方法をやってました。上から見ると、イソギンチャクみたいな生物が海に揺らいで「クマノミ君、来ないかな」と待ち侘びているようにも見えて、心が和むってこともありまして。

しかし、この方法はダメだとすぐに気づきました。口が広くなると、絞り込むことができなくなって、かえってズルムケになりやすく、銭湯の中でさえ包茎を維持できにくくなります。

これに気づいてからは垂直方向にだけ伸ばしていて、その成果が出てきているのだと思います。

そういえばもうひとつ仮性包茎の難点があって、毛が巻き込まれるってことです。私の場合、チン毛は短くカットしているので、チン毛トラブルはクリアしていますが、「清潔にしておけば仮性包茎にはなんの問題もない」という主張はこの点でも正しくない。

チン毛をカットすればいいだけなので、たいした問題ではないですけど、排尿時にシッコが散りやすく、かつ皮との間にシッコが溜まりやすく、臭くなりやすい点はクリアしにくい。シッコの時はムけばいいだけですけど、真性包茎の場合はそうもいかないので、この点は真性包茎の難点として残ります。

排尿時にムくことを厭わなければ、仮性包茎は放置してよく、内的にそれ以上の不便は感じない。それでも気にするのは社会的なプレッシャーのせいです。このプレッシャーは女が立ちションができなくなったことと同じです。それを知られると馬鹿にされ、嫌われるるかもしれないと恐れ、その嫌悪が内面化していき、女だったら立ちションをやめ、男だったら手術をする。

女の立ちション禁忌を克服しているのはS的女たち、包茎の禁忌を克服しているのはM的男たちというのが対になっています。マゾヒストたち』で説明した逸脱する人々であり、闘う人々でもあります。

WikipediaよりGiacomo Merculiano 1893 右下のイソギンチャクに近いかな。イソギンチャクを検索していて初めて知ったのですが、英語ではsea anemoneなんですね。磯の巾着より海のアネモネの方がきれいじゃね。

 

 

男もしゃがんでシッコした方がいいとの意見

 

vivanon_sentenceトイレが汚れないように、男もしゃがんでシッコすべきという主張があります。汚れないようにではないのですが、実際、そうしている人もいます。なんとなくの習慣だと言っていたはず。

たいていの男は小用便器でプルプルっとやって済ませてますが、それでも完全に落とせるわけではなく、パンツは少しずつ汚れますので、男も紙で拭く習慣をつけた方がいいかもしれない。

そうすると、公衆トイレは今の何倍もの面積が必要になります。用を済ます時間もかかりますから、広くしても今の何倍も混み合いそうです。ただでさえ急性大腸炎の人はウンコをするにも苦労しているのに、いよいよ困ったことになります。

 

 

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