包茎復元のメリットは中学生のような敏感さが戻ってくること(かも)—包茎復元計画[9]-(松沢呉一)
「割礼・むきむき体操をめぐる議論—包茎復元計画[8]」の続きです。
包皮を復元するメリット
包茎手術の問題は、ふたつに分けて論じた方がよさそうです。
ひとつは乳幼児の段階で包皮切除手術をすることや無理矢理親が剥くことです。本人の意思など知ったことではなく、それを施すメリットがほとなんどないまま、デメリットだけが生じている(としか思えない)。手術は後戻りできないわけではないにせよ、戻すには苦労します。私も苦労しています。仮にそれによって真性包茎にならないといったメリットがあるのだとしても、もっと大きくなってから自分で判断すればいいことでしょう。
もうひとつは成人して以降、自身の判断で手術をすることです。これはどちらかと言えば「包茎はカッコ悪くて、女にモテない」ということから生じるコンプレックスが元だと思われます。
知人の風俗嬢にもいるように、包茎をひどく嫌う女たちがいることは間違いがないのですが、これはもっぱら完全包茎のことです。「臭いし、恥垢が溜まっている」と。これと仮性包茎はほとんど関係がないのですが、まとめて包茎として嫌われてしまっていそうです。つまり、「包茎を嫌う女」にも幻想や無理解が混じっています。ここも教育しないといけませんね。
大人になってから手術するのは自由とは言え、いい加減な情報に惑わされて手術をするのはバカバカしい。仮にHIV感染のリスクが高まるのだとしても、ズルムケだって感染するのだから、コンドームをすればいいってだけ。包茎手術によるトラブルもあるのだから、両方のメリットとデメリットを冷静に判断する必要があります。
※SSは風俗嬢向けのサイトより。医学的説明については怪しいところもありそうですが、真性包茎に限定した内容になっているのは適切。
包皮は亀頭の感度を維持する役割がある
しかし、ひとたび手術をした人が元に戻すメリットがあるのかどうか。「面白い」ってだけで始めた私はそれ以上のメリットなんて考えてなかったですが、子どもの頃に、勝手に切除されたことの怒りによって、メリットがなくても、あえて元に戻す人もいるでしょうし、かぶっていることに美を感じる人もいるでしょう。
私も見るものとしては包茎が好きです。中高生くらいの包茎のことを言ってますけど、大人の包茎も悪くないです。
そして、見た目以上にもうひとつ大きなメリットがあるのです。感度です。
割礼に反対する人々の根拠のひとつがこれです。包皮で守られている方が亀頭の粘膜は敏感で、露出するとともに感度は鈍ります。
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