松沢呉一のビバノン・ライフ

職場の人と飲みに行きたくない人たちの増加—猫町倶楽部初体験(4)-(松沢呉一)

職場は恋愛やセックスや結婚をする場ではなく、仕事をするところ—猫町倶楽部初体験(3)」の続きです。

 

 

 

半数以上が忘年会には出たくない

 

vivanon_sentence読書と直接関係のない話が長くなってますが、次回から読書の話になります。どんだけ続くんか。

職場恋愛が急速に減っている事実は日本人の職場に対する変化を物語っています。恋愛に限らず、私的領域と職場を切り離したいってことです。職場恋愛禁止規定を作らなくても、公私の区別をつけにくい日本でさえそちらに向っています。

このところ、「仕事のあと上司や同僚と飲みに行くか否か」を会う人ごとに聞いていますが、「ほとんど行かない」「たまにしか行かない」という人ばかりです。編集者は仕事柄、行動がバラバラで、直帰も多いため、あまり参考にはならないですが、おそらく一般企業でも減っているだろうと思います。

「最近の若いのは酒を飲まない」と嘆いているのもいますしね。はっきり言えないので、酒を飲まないということにしているだけで、「会社の人間とは飲みたくない」「とくにおまえとは飲みたくない」というのが本心かもしれない。

どこかに数字が出ていないかと思って探したら、忘年会についてこんな調査が出ていました。

 

PR TIMES「会社の忘年会はみんな行きたくない?年齢別にみると意外な結果が。生の声をそのまま公開します」より

 

 

この調査によると、若い世代の方が「忘年会に行きたくない」と考える率が高いとは単純には言えないのですが、「絶対に参加したくない」「できれば参加したくない」を合わせて全体の7割近くが忘年会否定派です。3割強の積極派のために7割がつきあっているようなものです。

出版社の場合は、社内の人間だけでやる忘年会と、社外のライターやカメラマン、イラストレーターなどを呼ぶ忘年会の二種あって、後者には私も呼ばれることがあります。こんな時くらいしか同業者や担当以外の編集者と会うことがなかったりするので、酒を飲まない私でも「できれば参加したい」になります。その感覚からすると、「忘年会くらいはいいだろ」と思ってしまいますが、毎日顔を合わせている人たちとの忘年会には出たくないのは重々理解できます。

 

 

仕事以外の人間関係を作れないことの悲劇

 

vivanon_sentenceかつては仕事のあと、社員同士で連れ立って食事をしたり、酒を飲んだりするようなつながりのある会社が大半で、福利厚生として社員旅行があり、各種サークルも社内にあり、休みの日もイベントがあるような会社が「いい会社」とされてきたのが、今は「うざい会社」と感じるのが増えていそうです。

趣味が多様化しているため、職場の人間で同じ趣味をもつのを探すことは難しく、だったらネットで探した方がいい。仕事が終わったら、「とっとと家に帰ってゲームをするなどの趣味に没頭したい」「ブログを書くのに忙しい」という個人の活動を重視するのもいるでしょう。職場ではないところで人間関係を築きたい人も多いはず。

 

 

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