松沢呉一のビバノン・ライフ

数字で見る「女による男に対するセクハラ」—包茎復元計画[11]-(松沢呉一)

自分がわかっていることを他人がわかっていないことに気づきにくい—包茎復元計画[10]」の続きです。

 

 

 

セクハラを受けていると感じる男の数字に驚く

 

vivanon_sentence「軽視される男の性」というテーマに戻ります。

番組は観てないですが、NHK「おはよう日本」のこの報道には驚きました。

 

 

2019年11月20日放送分「男性の性被害 その実態は…」より

 

 

まずここ。

 

今年(2019年)、連合がおこなった調査では、就職活動中に企業側の担当者などからセクシャルハラスメントを受けたという20代の男性は21%に上り、女性よりも多いことがわかりました。

 

連合の調査は「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019」です。

この調査はさまざまなハラスメントを扱っている「職場のハラスメント」と、「就職活動におけるセクシュアル・ハラスメント」と2本柱の調査になっています。

ここでは「そんなことがセクハラか?」というツッコミはなしにして、男女の比較をしてみます。

 

 

 

就職活動におけるセクシュアル・ハラスメント」では20代男性の21.1%、20代女性の12.5%がセクハラを体験していると答えていて、圧倒的に男の方が多いのです。この理由は「性的な冗談やからかい」「性的な事実関係 (性体験など)の質問」など、面接時の質問や応答、大学OBを訪ねた時の会話の内容について、男の方がセクハラだと感じている率が多いためです。

面接担当者やOBがこういう発言をしてしまう事情はよくわかります。「セクハラにならないように気をつけなければならない」という考え方はとくに人事担当では浸透していましょうが、その時の相手はほとんどつねに女が想定されています。「男だったら言ってもいい」と思っているわけではないにしても、そこが意識されていない人は多いはずです。私もそうです。ただの雑談として「君はチンコがムケているか」と聞いたりしそう。

ここまでは容易に想像できるとして、「食事やデートへの執拗な誘い」や「性的な関係の 強要」の項目でも男の数字は女の半数近くに達しています。

この行為者が男か女かの別がわからず、NHKの報道ではこの調査の数字を受けて男の上司が部下にやったセクハラになっているため、男性間のセクハラのようにも思えてしまいます。そういう例があるとしても、それが主であるとは思いにくい。

両者とも同性愛者であり、他の人にはわからないまま、互いにそのことを知っているような関係であったり、社員の多くが同性愛者であるような環境じゃなければ(こういう会社も実在しています)、自身が同性愛者だと察知されるような行為は自重するだろうと想像できます。とくに就職活動をしているのと面接担当の社員が、互いにそのことを知っているなんてことはほとんど考えにくいですから、この行為者は女の方が多いでしょう。

 

 

男性4人1に1人が女性からの「セクハラ」被害に

 

vivanon_sentenceもうひとつ注目したのはここ。

 

弁護士の戸塚美砂さんです。
女性の上司や先輩からセクハラなどを受けたことがあるか、男性を対象にアンケートを行い、およそ2,500人から回答を得ました。

すると、実に4人に1人が、さまざまな被害を受けていることがわかりました。

 

 

 

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