エチオピア料理を食べながら猫町倶楽部について語った夜—猫町倶楽部初体験(5)-(松沢呉一)
「職場の人と飲みに行きたくない人たちの増加—猫町倶楽部初体験(4)」の続きです。
葛飾区四ツ木で見つけたエチオピア料理の店
Facebookに書いたように、葛飾区四ツ木の銭湯に行った際に、周辺をフラフラ歩いていたら、寂れた商店街の端っこにエチオピア料理店「リトル・エチオピア」がありました。四ツ木は前に通りかかったことが一度あって、ペルシャ料理店があったり、バングラデシュ料理店があったりと、エスニック系の店がチラホラあるのですが、エチオピアとなると黙っていられません。
「ビバノン」の「HIV・エイズに関する動画史」シリーズで、エチオピアのコンドーム事情について説明しつつ、音楽や民族について触れていたのですが、あのシリーズは整理し直そうと思って、ほとんどの回をいったん未公開にしたまま、そのまんまになってしまいました。
それ以外ではこの辺やこの辺にちょっと残っているだけですけど、私はブルガリアを筆頭としたバルカンの音楽が好きで、そこから中東を超えてアフリカ大陸に渡り、エチオピアの音楽も好きになりました。アフリカ大陸の音楽全般が好きなのではなく、エチオピアの音楽が突出して好きです。
聴き始めて10年も経っておらず、歳をとっても若い頃に聴いていた懐メロに浸ることがめったになく、ほとんどつねに知らないものを知りたい欲求が勝ちます。
猫町倶楽部代表の山本多津也さんも『読書会入門』で、クラシック音楽を聴くようになったことを例にして、未知のものを受け入れる姿勢について語っています。私と同じタイプです。
エチオピアの音楽が好きになったのを契機に、エチオピアという国にも興味を抱くようになり、早稲田にあったエチオピア料理店にも何度か行って、エチオピアの民族や言葉、音楽について質問責めにし、あれこれ教えてもらいました。なにしろ私にエチオピア音楽を教えてくれたのはYouTubeであり、それ以外からの情報がないので、わからんことが次々出てくるのです。
もっと聞きたいことがあったので、早稲田に行ったら、店はなくなってました。ここはランチが安くておいしかったのですが、エチオピア料理は辛味と酸味が特徴で、とくに酸味が日本では万人受けはしないかも。梅干しや酢の物は好きなのにな。
エチオピア料理店は中目黒に老舗の「クイーンシーバ」があるのですけど、一人で入りやすい店ではないので、前を通りかかっただけで入ったことはなく、結局、早稲田の店しか体験がありませんでした。
※「リトル・エチオピア」外観。金曜日の夜のわりに客は少なくて、「大丈夫かな」と思ったのですが、四ツ木に住むエチオピア人たちはテイクアウトが多く、四ツ木以外に住むエチオピア人たちは休みの日に家族で来るため、土日が混むそうです。
四ツ木とエチオピアの関係
夜遅く、「リトル・エチオピア」を四ツ木で見つけて、腹が減っていたことでもあるので、食っていきたかったのですが、レストラン&バーと書かれていても、外に出ているメニューは酒だけです。カウンターにエチオピア人らしき人たちがいて、酒を飲んでいる様子。遅い時間はバータイムなのかもしれず、こういう時に対応できないのが下戸の不利な点です。
その日は素通りし、あとで検索してみたら、夜遅くでも料理は食えたようです。四ツ木周辺にはまだ行っていない銭湯がいくつかあります。銭湯のついでに今後こそ「リトル・エチオピア」に行くべ。
それでも一人だと気後れして、昨日、四ツ木に住む筑摩書房の松本良次さんを誘って「リトル・エチオピア」に入ってみました。
「リトル・エチオピア」は来日15年と10年の夫婦が3年前に始めた店で、なんで四ツ木かと思ったら、日本全体でエチオピア人は200人ほどいて(これは勘違いのようで、これ以上います。追記参照)、そのうちの50人が四ツ木に住んでいます。四ツ木は「キャプテン翼」の拠点のみならず、エチオピア人の拠点なのです。
エチオピア人に友好的なマンションのオーナーがいて、そのマンションに次々と集まってきたのが由来だそうで、千葉や埼玉で働いている人たちも家は四ツ木だったりします。
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