松沢呉一のビバノン・ライフ

インド・韓国・ドイツへの疑問—新型肺炎(COVID-19)について触れにくい事情[16]-(松沢呉一)

不完全な方法ながら解決は個人で備蓄することしかない—新型肺炎(COVID-19)について触れにくい事情[15]」の続きです。

ちょっと前に書いてあったものなのですが、トイレットペーパーの話が長くなってしまって出しそびれてました。内容が一部古くなっていて(古いと言っても10日程度)、新しいものに差し替えたり、追記したりしましたが、古いまんまの部分も残ってます。ご了承ください。

 

 

 

インドへの疑問

 

vivanon_sentence「日本はどうしてこんなに検査数が少ないのか」という疑問がさんざん出ていたわけですが、「この国はどうしてこんなに感染者が少ないのか」「この国はどうして致死率が低いのか」といった「疑惑」は世界中でわき上がっています。日本だけではありません。

私も「この国はどうして」と思った点はいくつもあるのですが、そのほとんどはアホの私でも、ちょっと数字を検討するだけで理由は見えてきますし、検索すると、その裏取りもできます。いまだ納得できていない国もありますけど、それは日本ではありません。中国の数字も怪しくて、内部告発も出ていますけど、「中国は初動でごまかそうとした前歴があるくらいで、そりゃ引続きインチキしているだろ」と納得できてしまうので、中国でもないです。

その辺を簡単に見ていこうと思います。

まずインドです。

以下はBBCの「Coronavirus: Why is India testing so little?」という記事です。「インドではどうして検査が少ないのか」を取材したもの。

 

 

2020年3月20日付「BBC NEWS

 

 

WHOの検査推奨の方針を受けて出された記事で、インドの感染者はこの時点で200人を切っていて(3月29日現在700人を超えています)、中国との関係で言っても、人口比で言っても、たしかに少ない。

これに対してインドの研究者はインドではまだアウトブレイクの兆候はなく、WHOの方針はパニックを引き起こすものだと批判しています(WHOの方針は「疑いのある患者全員を検査する」というものですから、多くの国がすでに実施していることの確認でしかないけれども)。インドでも検査を増やしてはいますが、病床数も医師も少ないため、医療崩壊を避けたい事情もあって、簡単にはいかない。それぞれの国に事情があるのだから、一律に「検査を増やせ」という方針に反発するのは当然かと思います。検査の精度が低いので、どうしたって一定の率でミスが起きるのだし。

3月24日に外出禁止令が出ましたが、これは検査体制はそのままで感染速度を抑制する作戦かと思います。いきなりすぎましたし、厳し過ぎるようにも思いますが、この作戦は十分理解できます。

 

 

韓国への疑問

 

vivanon_sentence韓国に対しても疑問が出ています。

以下は「Why South Korea has so few coronavirus deaths while Italy has so many」と題されたCNNの記事で、「イタリアでは死者が多いのに、どうして韓国では少ないのか」を論じたもの。

 

2020年03月16日付「CNN OPINION

 

 

これは韓国とイタリアでは検査の範囲が違うってことで説明できると思うのですが、そこは軽く触れるに留め、この記事では感染者の年齢と性別に着目し、韓国は若い世代の女性の感染者が多く、若い女性は喫煙率が低いと説明しています。喫煙者が重症化しやすいのは事実で、発症した人を優先的に検査しているのか、症状がなくても検査しているのかの違いでしょうけど、そこまで言わなくても、症状が出ていない感染者までを捕捉すれば致死率が低くなると言えばいいだけのような。

 

 

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