松沢呉一のビバノン・ライフ

セックスワーカーのホームレス化が世界中で進行か—コロナの時代に流行るもの・廃るもの[4]-(松沢呉一)

ライブハウスへのコロナ軍の猛攻—コロナの時代に流行るもの・廃るもの[3]」の続きです。

 

 

ロックダウンによる第二ステージ

 

vivanon_sentence先日、SWASHの要友紀子代表に意見を求められまして、それをきっかけに、ここ数日、コロナウイルスによって世界のセックスワーカーたちがどうなっているのかをチェックしていました。

現在は第二ステージに入ってます。

第一ステージは「感染が怖いので仕事ができない」「客が減った」といったように、働く側または客がウイルスを怖れることによる影響が主。他人に口出ししないではいられない人たちが湧いているとは言え、日本はまだここ。

第二ステージはロックダウンを筆頭に「仕事をしたくても、あるいは仕事をするしかなくても、できない」というウイルス対策による影響です。世界のトレンドは現在こちらに移っています。

ヨーロッパの多くの国では、飾り窓を筆頭に、売春をする場所が固定された方式も合法だったわけですが、これらは3月の段階で軒並み閉鎖されてしまいました。

客の連絡先がわかっている人たち以外は、ショバを変えるだけで蓄積が消えるため、どうやっても売り上げが落ちますが、この際、どういう方法であっても客を探すしかなく、路上に立つのもいます。

ところが、ロックダウンによって、最低限の外出しかできなくなった国では、これも許されません。もともと街娼が合法とされている国でも、黙認されてきた国でも、ロックダウンとともにこれらが排除対象となり、国によっては逮捕されます。

アフリカのいくつかの国で実施されている厳重なロックダウンのもとでは警察に射殺されかねない

※ドイツのセックスワーク事情を報じた2020年3月26日付「Los Angeles Times

 

 

家賃も払えなくなったセックスワーカーたち

 

vivanon_sentenceそこでインターネットで客を探す。しかし、これには向き不向きがあって、とくに外国人労働者の場合、対面でのやりとりくらいはできても、言語的ハンディがあるため、インターネットでスムーズに交渉することができない。

そのため、警察の目につかない屋外で客を探す。警察の目が届かない場所は客も目が届かないわけですから、客を探せず、なおかつ金を奪われるなどのリスクがあります。そうなっても警察に被害を訴えられない。

ここ何十年かかけて進めてきた非犯罪化が崩れて、ふたたびセックスワーカーたちは犯罪者として立ち尽くすしかなくなっていて、収入をなくしたセックスワーカーたちがホームレス化しつつあるというのがここ最近の記事の論調です。

たとえば以下。

 

2020年3月30日付「INDEPENDENT

無一文になってホームレスになることを強いられているという内容ですが、ロックダウンの元では路上生活はできませんから、ホームレスにもなれないのです。

 

 

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