岡江久美子の死と学生たちのコロナパーティ—健康な若い世代はほとんど死なない病気[12]-(松沢呉一)
「安倍昭恵と高井崇志議員は若者か?—健康な若い世代はほとんど死なない病気[11]」の続きです。
岡江久美子は上品でエロいおねえさんだった
スウェーデン方式を先に理解していただいた方がいいかと思って、「新型肺炎(COVID-19)について触れにくい事情」でざっと説明しました。あっちはあっちでまだ続きますが、「若者叩き」のくだらなさについてもうちょっと書いておきます。
「若い世代をおとなしくさせるのではなく、働かせて社会を維持する我が構想とスウェーデン方式—新型肺炎(COVID-19)について触れにくい事情[23]」に書いたようなことを私は構想していたわけですが、もちろん、あれは私の頭の中の話であって、現実の日本ではクラスター対策に力を入れていますから、もし自分が感染したとの確信があれば、自主隔離のあと、保健所に出頭して協力はします。その際に検査をして確定させる必要があるとなれば検査もしましょう。
面倒臭そうだったら行かないし、メールや電話で済むならそうしますけど、もし死んだらどれも無理ということで納得していただくしかない。私も死ぬ可能性がそこそこある世代です。
私より上ですし、基礎疾患がありましたが、岡江久美子さんが亡くなったのがショックです。
若い頃、私は岡江久美子さんが好きだったのです。写真集まで持ってます。「はなまるマーケット」しか知らない人は想像しにくいでしょうが、「上品でエロいおねえさんイメージ」がある人だったのです。
そのエロい思い出は改めて書くことがあるかもしれないですが、テレビやラジオに出ている人たちやスタッフが次々と感染しています。全員が撮影現場での感染ではないですが、「自分は大丈夫」と思っていたのが多かったことは否定できないでしょう。テレビに関わる人たちは「自分は特別」という感覚が強いのだとしか思えない。
それ自体はいいとしても、若者叩きをやってきたメディアはなんと言ってましたっけ? 無自覚な若者たちが他者に感染させているのだと。
そう言っているメディア関係者がもっと無自覚だったというオチのコントです。感染した人を叩くべきではないですが、若者叩きをしてきたメディア関係者が感染した時だけは叩かれていいと思います。岡江さんはやっていないと思いますが。
今はそれなりの対策をとっていますが、コロナ騒動の初期、テレビやラジオは無防備であり、その現場を知っている人たちは揃って「ヤバいよね。そのうち感染者が出るぞ」と言っていたものです。しかし、志村けんが亡くなるまでほとんど何もせずに、若者叩き、ライブハウス叩きをしていたメディアについては叩かれて当然です。
若者叩きをして憂さ晴らしをしているようなメディアや、とても現実とは思えないファンタジーで脅してアクセス稼ぎをやっているようなメディアは叩いた方がいい。そのためには視聴者や読者が自分で数字を調べて、検証する癖をつけた方がいいと思います。じゃないと、ああいうメディアはいい気になって、またやります。
※『岡江久美子写真集 華やかな自転』(別冊スコラ)。うちにあるのは探せないので、書影はヤフオクから借りました。
若者叩きでストレス解消をするのはやめれ
現実の日本では、スウェーデンのように、若い世代が今まで通りに生活するわけにはいかないですけど、もっとも注意を呼びかけるべき対象は高齢者と基礎疾患のある人々です。厚労省はその人たちへの呼びかけもしています。なのに、なんでおかしなメディアが出てきてしまうのかな。
「おまえらが餅を食うから年寄りが真似して餅を喉に詰まらせて死ぬ。おまえらは餅食うな」と若い世代に注意するのでなく、年寄りが餅を食わないようにしたり、食う時に気をつけるように呼びかけるってもんじゃないんですかね。本気で老人を心配するのであれば。
本当は病気のジジババが死ぬことなんぞ屁とも思っていないのに、それを利用して若者を叩いてスカっとしたいのがバレバレですぜ。
現実に健康な若い世代は、1万人感染しても、死亡者は1人以下です。そのために行動を抑制しろと言われても納得できないのは当然だと思います。むしろ、これで素直に行動を抑制する若い世代しかいないんだったら、どのみちその社会には未来はない。滅びればいいでしょう。
でも、日本の若者はそう捨てたものではないことを私はこの目で見ています。
※厚労省のサイトより
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