松沢呉一のビバノン・ライフ

意味がないドイツのマスク着用条例の意味—マスク・ファシズム[11]-(松沢呉一)

水月ホテル鴎外荘の閉館とマスクの値崩れ—マスク・ファシズム[10]」の続きです。

 

 

 

 

ドイツのプロテスターたちのマスク率

 

vivanon_sentence前々回見たように、スペインのマスク義務化はよく考えられています。あれだと私は反対しない。

スペインの義務化を調べる気になったのは、スペインのアンチ・ロックダウン・プロテストの動画を観て、「車やバイクは関係ないだろうに、なんでこんなにマスクをしてんだろ」と訝しく思ったからです。

香港のプロテスターたちはマスク率100パーセントですが、あれは顔を隠す必要性によって、COVID-19以前から始まっていたことですし、それを潰すための覆面法が一時あったため、マスクをすることが抵抗の印でもあるからです。

それ以外の国のプロテスターたちはスペインほどマスクをしてません。

では、ドイツのプロテスターたちを観ていただきましょう。

 

 

 

これはベルリン。

マスクをしている人は少なく、している人はパンツをかぶっていたりして、マスク規制を小馬鹿にしている感じです。人によってはマスクではなく、顔を隠すためにバンダナを巻いていたりします。

見た目からして右派ではないでしょうけど、ネオナチもわかりやすい格好をしているとは限らず、AfD(Alternative für Deutschland/ネオナチとかぶっている、あるいはほとんどネオナチとイコールの右派政党)もロックダウン・プロテストを呼びかけています。ベルリンではアンティファ勢力から追い出されたりしていますが、いろんな人たちが混じり合っているので、この動画に出ているのがどういうグループかはわからんです。

 

続いてハンブルク。

 

 

動画の冒頭で、右派と左派が小競り合いをしているところに警察が介入しています。あとはだいたい左派かリベラル層か。

地面に座って距離を保つ人たちはマスクをしていない人が多いですが、動いている人たちはマスクをしているか、覆面をしている方が多そうです。

 

続いてザクセン(Sachsen)州のケムニッツ(Chemnitz)。

 

 

ここにはけっこう右派が映ってます。マルクス像の前に集まっているのは、おそらくAfDか、その系統です。反イスラム、反ユダヤの民族主義・排外主義を掲げ、ベルリン、ハンブルクでは支持率は10パーセントを切ってますが、ザクセン州はドイツでもっともAfDが強くて、住民の4分の1が支持(ただし、すでに支持は落ちているようです)。

 

右派と左派だけでなく、ドイツでは移民のプロテスターたちもいます。多くの国で移民労働者、出稼ぎ労働者がもっとも厳しいところに置かれていますから。ドイツでは、クルド人とトルコ人が衝突していることもあります。

警察が活躍する場面がないので、ここには出していないですが、もっとも動員数の多いアンチ・ロックダウン集会は、ナチュラリスト(ナチュリストではなく、エコ系とかぶる人たち)系、ピース系の人たちを中心とした平和的なものです。数千人規模で集まっているので、緑の党(Die Grünen)も関わっているかもしれない。この手のプロテスターには反ワクチン派も多い。よくわからんのですけど、反ワクチン派も宗教系、スピ系など、いろいろいるみたい。

どれがどれでもいいとして、マスクです。

 

 

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