マスクの不快感を吹き飛ばしたフェイスシールド—マスクよりもフェイスシールド[1]-(松沢呉一)
さらに下がったマスクの値段
1週間前に、50枚入りのマスクが上野アメ横で最低価格1,100円だったと書きましたが、その後、歌舞伎町で1,000円で売られているのを見ました(下の写真。水色だけだと50枚1,000円、白28枚・水色12枚だと40枚で1,000円。水色の方が安いのか)。つい1ヶ月ほど前の半額以下。数日内に1,000円を切りましょう。
まだ当面使う人は使いますし、掃除や引っ越しの際、恐喝や空巣の際にも使いますから、買っている人を見かけますけど、こういう安いマスクを買った人によると、紐がすぐにとれるそうです。ヨーロッパなどから送り返された中国製を日本に回しているんとちゃうんか。
でも、一箱1,000円なら、1枚20円ですから、高品質を求めるのは間違っています。たいていの場合、マスクなんて体裁だけなんだから、なんでもいいじゃないですか。紐がとれたら糊でくっつけとけ。つうか、コピー用紙を四角く切ってガムテープで口に貼っておけばええじゃろ。
本気で予防を考えるなら、スペイン基準にするしかない。N95のマスクかFFP基準をクリアしている防塵マスクのみOK。そして目から感染するのがスペイン風。
目からの感染がどの程度あるのかは未だはっきりしていないみたいですが、コッホ研究所もその可能性を否定していませんし、日本眼科学会も同様。そのため、国によっては医療関係者にはもちろんのこと、一般にもサイドカバーのあるメガネやゴーグルを推奨していてます。マスクさえしておけばいいかのような風潮が目からの感染を促進しているとも言えます。
私はこの風潮がくだらないと思っていたことはこれまで書いてきた通り。マスクの効果は限定的であり、その限定的な条件のもとでマスクをするのは個人が判断すればいいとして、感染があり得ない状況でする必要はない。
より効果的な予防をするならマスクの質を問うべきであり、手作りマスクをヨイショしている場合ではありません。また、手袋もした方がいいことは言うまでもない。
それらのすべてを実施するのが難しいのであれば、各自で「ゴーグルもマスクもする」「手袋はするけど、マスクはしない」「マスクをすべきところでしかしない」といった判断をすればいい。法が決定することではなく、他人が強制することでもありません。
法律や条例で義務化されているわけではないですから、その個人の判断を実行できる日本はいい国というのが私の実感。コロナ期においては数日前まで一度もマスクをしてませんけど、それで何かを誰かに言われたことはなく、プレッシャーを感じることもまずない。マスク着用と書かれた店に入る時に戦闘態勢になるくらいで、まだ戦闘になったことはありません。
そもそも飲食店ではマスクをすると飲んだり食ったりできないですし、ほぼ路面店しか入っていないので、ドアを開け放てば換気できます。この時期に限らず、満員電車は避けてます。よってマスクを持ち歩いていても、する機会がないのです。
初マスクの苦痛と快楽
しかし、先日、ついに初マスクをしました。換気がしにくい事務所での打ち合わせだったためです。
初鰹みたいなもので、ちょっとめでたい感じもあったのですが、耳が痛い、息苦しい、蒸し暑い。途中、煙草を吸ったり、コーヒーを飲んだりする時に外してますが、それでも辛い。これは無理だと思いました。
ここに出した写真は私ではないですが、私がマスクをした時の内面をきれいに表現しています(この写真については下記参照。右下に見えるのはRoyal Blueの豹牙女王様。フェイスシールドをしています)。マスクをするとこんな気持ちになります。
コロナ以前から、仕事でずっとマスクをつけている人に聞いたら「慣れる」と言っていて、そういう人はいいとして、これでは呼吸器系の病気の人は悪化するだろと思いました。ましてもっと密閉度の高いマスクでスポーツをすれば、息の水分や汗で空気の流れがさらに遮断されて酸欠で死ぬこともあることくらい想像できます。
そんなもんをして苦しんでおいて、目から感染しているんじゃアホすぎます。
でも、外に出てから、「これってマゾ的にはいいかも」と思った瞬間にスイッチが入って、それから2時間ほどマスクをしたまま墨田区を歩き回りました。2時間、顔面騎乗プレイをした気分です。女王様の匂い付きマスクを売ると売れるかもしれない。
この時の私の内面もここに出した写真と同じです。
考えてみると、我が人生でマスクをしたことがあるのは、小学校の掃除の時間くらいか。しかし、そんなん、30分程度です。大人になってからは引っ越しの時にしたかもしれない。それも苦しくなって、すぐにあごの下に下げてしまうので、これほどの時間マスクをし続けたのは生まれて初めてかもしれない。コロナ期に限らず初鰹。
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