松沢呉一のビバノン・ライフ

厳しいロックダウンで制圧に成功したニュージーランドでまた感染者—罰則つき外出制限が日本に必要か?[1]-(松沢呉一)

 

日本はロックダウンする必要があるのか?

 

vivanon_sentence予想していた通りに出てきました。

 

2020年6月15日付「毎日新聞」より

 

日本でこれができないのは憲法に抵触するためだと言われてましたが、慎重に改憲するってことか?

改憲はともあれ、これに賛成する人たちがいっぱいいそうです。コロナ警察・コロナゲシュタポの皆さん方や中国を手本とするような方々です。中国のやり方を真似するなら当然罰則付き外出制限や営業制限をできるようにするしかないのだし、マスクをしないだけで逮捕できるようにするしかない。

私のように「自粛要請に留まる日本はいい国、マスクしなくても逮捕されない日本はいい国」と思っている人は声をあげていきましょう。さもないと「慎重にやらねばならない」→「国民の皆様の強いご要望により法改正することになりました。そのためには憲法改正を」ってことになりかねない。

日本に罰則つき外出禁止、罰則つき営業禁止が必要か? それがないために、日本は対策に失敗したのか?

 

 

スウェーデンは感染者が増加傾向・死者は減少

 

vivanon_sentence世間一般、もうコロナ気分は終ってしまってましょうが、コロナ期に国外の記事ばっかり読んでいた癖が抜けなくて、その後の話をちょっと書いておきます。

ロックダウンと無縁のスウェーデンは、感染者数は横ばいが続いていたのに、6月に入って増加。しかし、死亡者数は減少しています。

 

worldometers」より

 

病院や介護施設での対策が終って、死にやすい層の感染が減ったってことだろうと思います。病院と介護施設の対策に当初ミスったのが痛かったですね。

どっかに出ていた記事によると、スウェーデンは当然経済的ダメージが他国より少ないのですが、旅行については自粛要請が出ている上に、観光客も来ないですから、飛行機会社やホテル業者のダメージは大きく、また、輸出が大きな影響を受けています。世界的に購買力が落ちているため、スウェーデンだけホクホクというわけにはいかない。

 

 

ニュージーランドでまた感染者

 

vivanon_sentenceこのスウェーデンと対照的なのがニュジーランドです。17日間、新規の患者が出ておらず、最後の感染者も完治したため、6月8日にジャシンダ・アーダーン(Jacinda Kate Laurell Ardern)首相が制圧宣言を出して、ロックダウンは完全解除され、サッカーの試合も再開されました。

 

As 43,000 flock to Eden Park, is Covid-free NZ the freest place on the planet?

 

ニュージーランドは感染者数1,405名、死亡者数22名です。四桁以上の感染者が出た国で、制圧(一定期間以上感染者が出ていない)したのは初。

ニュージーランドは3月25日から、最大警報レベルであるレベル4のロックダウンを実施。医療、介護施設以外で開店を許されたのはスーパーマーケットとガソリンスタンド、薬局のみ。4月27日までレベル4が続き、以降はレベル3、レベル2に引き下げられていました。

それも終了して、お祝いムードだったのですが、新たに2人の感染者が出ました。

 

 

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