松沢呉一のビバノン・ライフ

ヘルペスも制圧できないのにコロナウイルスは制圧できると信じる不思議—YouTubeで見る脇毛[3]-(松沢呉一)

表はいつも通りだけど—YouTubeで見る脇毛[2]」の続きです。

 

 

 

ヘルペスも水虫も制圧できていない

 

vivanon_sentence私はヘルペス持ちです。ヘルペッサー。

ヘルペスでも種類がいろいろあって、痛いブツブツができるだけの人もいるようですが、私の場合は唇の上と鼻の横のどちらかが少なくとも半年に1回は潰瘍状になります。だいたい過労気味の時、睡眠不足が続く時、体調がすぐれない時に出ます。

見た目が汚く、一目で病気持ちだとわかります。私はさして気にしないですが、その状態の時は感染させる可能性がありますから、人前に出にくい。

マスクが嫌いな私は、ヘルペスが出ると、外出しないようにします。自主隔離。フェイスシールドでは隠せないですし。

ヘルペスとのつきあいが長いので、事前に察知することもできます。症状が出る前に皮膚が過敏になってチクチクする感覚があるのです。一昨日、それが来て、薬をつけて、今のところ症状がまだ出ていません。今回の試合は先手を打って勝利したかもしれない。

私の使っているのはサトウ製薬のアラセナSで、メチャ効きます。人にもよるのかもしれないですが、軽度の場合は1回か2回つけるだけで治りますし、事前に察知して薬をつけた場合は赤くなるだけで終ることもあります。潰瘍状になると、それがかさぶたになり、元通りになるまで3日から1週間くらいかかりますが、薬をつけるのは長くても2日です。

今回は勝利しても、人類はまだヘルペスを制圧はできておらず、いずれまた症状が出ます。ヘルペスだって制圧できないのに、どうして出てきたばかりのCOVID-19は制圧できるかのような錯覚に世界は陥ったのでありましょうか。

人間はいい加減です。いい加減なのに、いい加減ではないかのように思い込んで、感染者をゼロにするだの、制圧するだのと能力を超えたことができると思い込んだのがコロナ騒動だと断じていいかと思います。この錯覚に陥った時に戦争になります。敵国を制圧できるはずだと考える。

しかし、消しても消してもウイルスはいなくならない。殺しても殺しても敵はいなくならない。

消えたと思ったらまた出てくるのが脇毛です(陰毛もケツ毛もヘソ毛も乳毛もヒゲもすね毛も頭髪もそうだし、毛は永久脱毛できますけど)。

 

 

フォークも全滅

 

vivanon_sentence意外にもMVやライブ映像で脇毛を探すのは大変な手間と時間がかかることがわかって、なんてことを始めてしまったんだと思ってますが、楽しいからいいや。

してみると、プッシー・ライオットはやっぱり貴重。あの中では脇毛は多数派ですけど、世界全体からするとまだまだ少数派です。そう思うとありがたみが出ます。

ナチュラル系のフォークは脇毛を伸ばしているかもしれないとも思ったのですが、フォークの人たちはギターを弾いているので、脇が見えません。夏のフェスだとノースリーブだったりするので、ギターを弾いていても見えそうなのですが、光が当たらないため、はっきりわかりません。とくに屋内だと下からの照明は通常ないため、腕を上げないかぎり、暗くて判定できない。

そのチャンスを待っていると、最後まで脇を見せずに去っていきます。ラストは頭を下げるだけだったりします。日本人でもないのに頭を下げるだけって何を考えているのかと。手ぐらい振るべきです。40分も見続けたこっちの気持ちにもなってくれ。

ジョーン・バエズは生えてそうだし、拳をあげてそうですが、やはり脇は見えませんでした。

 

 

最後まで長袖です。

脇毛はなかったですが、長らく存在さえ忘れていた「勝利への讃歌(Here’s to you)」で泣いたわ(31分30秒あたりから)。

 

作曲したエンリオ・モリコーネの「Here’s to you」でまた泣いた。

 

 

もともと映画用のためか、この曲は同じフレーズの繰り返しで、作曲効率がいいです。なのに、なんでこうも泣けるかな。

脇毛となんも関係ない。

 

 

 

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