ロックダウンが引き起こしたバッタ災害とセレブリティの脇毛—YouTubeで見る脇毛[8]-(松沢呉一)
「昼カラ・クラスターとジジ・ハディッドの脇毛—YouTubeで見る脇毛[7]」の続きです。
ダブル災害の恐怖
国内報道も少しは見るようになってますが、もっとも気になるのはホストクラブでもメイド喫茶でもなく、九州の大雨です。若い世代が感染しても死なないですけど、洪水では人が死にます。
今年もおそらく全国各地で大雨による被害が起きて、また私が借りているトランクルームは水浸しになりそうです。
大雨によって感染が拡大する、あるいは拡大しない対策を重視することで救援活動が滞る可能性があります。
この話は「世界の卑怯」で話そうと思っていたのですが、忘れてましたので、ここでやっておきます。
この数ヶ月、アフリカで起きていたのは「ウイルス+洪水」「ウイルス+バッタ」のダブルヘッダーです。
ダブル災害はきつい。洪水が起きて避難をすると、そこで感染が広がります。昔は災害時に疫病が流行ったわけですが、今も同じ。救助する人たち、支援する人たちも感染を怖れて、動きが悪くなります。
というところは想像しやすいのですが、アフリカでもっと深刻なのはバッタです。
バッタによって農作物が食い荒らされて食糧危機になると言われていたのですが、それが現実のものになってきています。
今年のバッタ被害が例年になくひどいのは、ロックダウンのためです。バッタが発生すると、ヨーロッパからこの対策のための人員と物資が運ばれていたのですが、発生初期の段階でロックダウンによって物資と人員が足止めをくらい、バッタを抑えられなくなってしまったのです。
そのために、3月から4月の第一波でケニア、エチオピア、ソマリアの農作物は食い荒らされて、5月以降の第二波はイエメンにまで及び、さらにはインド、パキスタンにも侵入。
WHOの一面的対策が新たな災害を招き、人を殺していく
以下のWIREDの記事がその辺の事情をよく伝えてます。
2020年6月21日付「WIRED」
これによって数万といった単位の人が餓死するかもしれないわけですよ。若い世代や子どもたちさえも。
農作物の代わりにはならないですけど、このバッタは食えないのかな。日本のトノサマバッタは素揚げにして塩をかけるだけでもけっこうおいしいです。
感染すると死にやすい老人と病人に対する対策だけをやって、あとはいつも通りに経済活動、社会生活ができるようにしていたらこんなことにはなりませんでした。
WHOの一面的ウイルス対策は、経済をないがしろにしただけでなく、別の災害をも呼び起こしました。バッタのことは考えてなかったですが、私でさえ、ロックダウンはアフリカやアジアの貧しい国々に皺寄せが行くことを予想できていたのに、WHOはそれらの国々を実質切り捨てたに等しい。ゼロリスクを目指すWHOの考え方に対して各国が疑問を抱くべきです。
と、いくら私が気を揉んだところでどうになるものでもないので、今回は脇毛とタトゥのダブルヘッダーです。
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