マスクに予防効果を求めている人はほとんどいないことを明らかにした同志社大の調査—マスク・ファシズム[14]-(松沢呉一)
「現状ネオナチが力を持つ心配はなさそうなドイツの政治体制—マスク・ファシズム[13]」の続きです。
マスクはただの同調だった
今まで書いてきたことが調査でも裏づけられました。
2020年8月11日付「東京新聞」
調べるまでもなく、日本人はそんなもんなのですけど、それがこうも大きいのは驚きました。それぞれの人のトップの理由だけが数値化されているので、二次的三次的にはウイルス対策の意識はあるにしても、なんら合理的理由がなくても、多くの人がマスクをつけるのです。
同志社大学が出している調査の「概要」のまとめ部分。
人々のマスク着用は、他の着用者を見てそれに同調しようとする傾向と強く結びついており、一方、本来の目的であるはずの、自分や他者への感染防止の思いとは、ごく弱い関連しかない。 この春先、人々がマスクを求め国中が大騒ぎとなったが、マスクを着けることで他者への感染を防ごうという意図はほとんどなく、自分の感染予防でさえ微弱な理由でしかない。主な理由は、他の人がマスクを着けているので自分もそうしたい、という思いだった。
これが現実。
自分をごまかす人は危うい
公共交通に比して、人通りがさしていない公道や公園でのマスク率は少し落ちるため、「散歩に行くだけなので、マスクは不要」「この時間は電車が混み合うので距離をあけられず、マスクは必要」といった判断をしている人もいるであろうことは想像できますが、多くの人はその判断もしない。
私はマスク同様、唾液の飛散を防ぐだけでなく、マスクと違って、ウイルスを直接吸い込むこともある程度は防ぎ、目のガードもできるフェイスシールドの方が優秀(ただし、熱中症対策のため、できるだけはずした方がいい真夏は、外したあとの持ち運びが難しいフェイスシールドよりマスクの方が使いやすい)と判断しているのですが、感染しないことより、周りに合わせることが大事な人たちの間にはなかなか浸透しない。
青山夏樹さんや芸能人たちがいくら頑張ってもフェイスシールドは拡大しにくいのです。
市販のマスクではウイルスを防げないとわかってきたら、「感染させないためにつけている」と言い出した人たちがゴロゴロいましたが、たいていは「だってみんながしているんだもん」とは言いにくいためのダサい偽装です。
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