フェイスシールドの有効性を明らかにするインドからの報告—マスクよりもフェイスシールド[16]-(松沢呉一)
「サイゼリヤの紙ナプキン・マスクは(少しは)熱中症対策になる—マスクよりもフェイスシールド[15]」の続きです。
ヨークフーズからの報告
首都圏のイトーヨーカドーは次々と新ブランド「ヨークフーズ」にリニューアルしています。一店舗しか見てないですが、ヨークフーズはどこもレジ担当はマスクとフェイスシールドを着用しているようです(レジ担当以外の売り場担当はマスクのみ)。
そもそもスーパーマーケットで感染する可能性は限りなく低い。つねに人が出入りして、空気の循環がよく、店舗によっては入口は開放されています。
従業員と客が会話をすることがあっても、「タワシはどこですか」「あちらになっております」程度です。
レジ担当は言葉を発する機会が多いとは言え、ビニールカーデンかアクリル板があるし、長話をするわけでもないので、あんまり必要はないでしょうけど、フェイスシールドを日常化させるためには有効。
個人が判断して決定することができず、周りに合わせることが最優先の国民にとって、「右にならえ」の「右」の役割です。もっともっと増えて欲しい。
でも、その後もフェイスシールドを使っている店が増えているとは思えません。使用している個人が少しは増えていても、顕著な動きにはなっていない。ここ数日で言えば、ヨークフーズではないスーパーでマウスシールドをしている客を見たくらい。
インドからの報告
感染予防の決め手はフェイスシールドだと思っている私にとっては朗報です。
Facebookで教えられたのですが、この報告に注目。
2020年8月17日付「JAMA NETWORK」
JAMAは米国医師会雑誌(The Journal of the American Medical Association)。
インドにおいて感染者の家族に対する調査を担当したヘルスワーカーの事例です。
本年5月3日から、ヘルスワーカーたちは、アルコール、3重構造のサージカルマスク、手袋、靴カバーを支給されて、家族を対面調査。相手の家族も原則マスク着用。
しかし、5月16日、2人のワーカーが発症し、調査は中止。検査の結果、62名のワーカー中、12名が陽性(19%)。
陰性の50名は、以上に加えてフェイスシールドを導入して5月20日から調査を再開し、6月30日まで継続し、その間、1人も感染者は出ませんでした。
という内容。
期間が長いにもかかわらず、フェイスシールド着用後は感染者ゼロ。見えない要素があるかもしれないので、この報告だけで結論は出せないにしても、効果は明らかです。
マスクに加えてのフェイスシールドであって、フェイスシールドだけだったらどうなんか、人体実験して欲しい。ナチスの読み過ぎ。若い世代であればほとんど死なないですから、同意があればいいんじゃないかと思わないではない。金をくれれば少しは死ぬ世代の私がやってもいいのですが、現在の医療の倫理としてはダメなんでしょうね。
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