松沢呉一のビバノン・ライフ

都電のマスク率とおばあちゃんのフェイスシールド情報—マスクよりもフェイスシールド[17]-(松沢呉一)

フェイスシールドの有効性を明らかにするインドからの報告—マスクよりもフェイスシールド[16]」の続きです。

 

 

 

ひさびさの都電でマスク率チェック

 

vivanon_sentence先週、ひさびさに都電に乗りました。今年初。たぶん去年も乗ってない。一昨年は銭湯に行くために乗ったはずです。

都電は時間軸がずれているので、コロナウイルスと関係ないかと思ったら、皆さん、マスクしてました。

都電はバスと同じで、入口は前に一カ所あるだけなので、場所を確保すれば乗り込む人を全員チェックできます。なおかつ狭いですから、乗って以降も観察がしやすい。混み合ってなければ全員見渡せます。

行きは午後3時台、帰りは午後6時台で、午後3時台に関しては、同じ時間帯の山手線より高年齢層が多かったかと思いますし、夏休みのため、学校帰りの学生がいつもよりはうんと少なかったですが、部活や補習帰りの中学生や高校生もいて、夏休みで遠出する親子連れもいるため、全年齢層が乗ります。カウントするには絶好の環境。

ボーッとしてしまって、途中で人数がわからなくなったのですが、おそらく行きと帰りを合わせて200人以上チェックしたと思います。

うち、「完全ノーマスク派」は2人だけでした。乗ってから降りるまで一度もマスクをしなかった人は1パーセント以下しかいない。

1人は70歳くらいの男で単独。1人は40歳くらいの男で、20代の男と一緒にいて、若い男はマスクをしてました。平日でしたが、格好からして仕事中って感じでもなく、この2人の関係は不明。

山手線だとマスク率に幅があって、見渡す限りマスクをしている人ばかりのこともある一方、9割を切ることもあるのですが、同じくらいの時間帯だと都電よりマスク率は低いと思います。山手線だと20人に1人くらいはしていないのがいる感じ。

都電は停留場や電車内にマスク着用表示がしつこく出ていますし(下の写真参照)、なにしろ狭いので、つねに混み合うことが予想されるためかもしれない。

 

 

都電での感染はほとんど考えられないのだけれど

 

vivanon_sentenceこれ以外に「時々ノーマスク派」が4名いました。1人は中年の男で、乗り込んだ時にはマスクをしておらず、マスクをしないままシートに腰掛けていたのですが、気づいたらマスクをしてました。もう1人も同じパターンで、これは私です。

都市部の電車は感染リスクが思い切り低い。都電は大きな窓は開けられないのですが、上の小窓は開けられるようになっていて(車両の型によって上下に開いたり、左右に開いたり)、すべて少し開けています(下の写真参照)。あれだけでも相当空気は循環します。

また、停留場(東京都交通局によると、「停留所」ではなく、「停留場」とするのが正しいみたい)の間が短く、2分から3分しかない。飛鳥山で信号待ちにひっかかりますが、それでも4分から5分。すぐに人とともに空気が入れ替わります。

しかし、家族連れだったり、同じ学校、同じ職場の人が連れ立って乗り込むため、都電内は話している人が多く、知らない人に話しかけてもいいような感じもあります。また、どの時間帯でもほどほど混むので、注意するに越したことはない。

私が乗った時には立っている人が誰もいない程度の混み方だったので、マスクをしていなかったのですが、席が埋まってきても、私の隣だけ誰も来ないので、「マスクしていない人の隣は避けるのか」と気づいてマスクをしました。

同じ方向を見ていて、話すわけでもないですから、感染しようがないと思うんですけど、論理は通じないし、ともあれ、席がひとつ無駄になるのは申し訳がなく、以降はマスクをしました。

完全ノーマスクの人を観察していたら、やっぱりその隣は避ける傾向があるみたいです。他の鉄道だと、私がしていない時でも隣を避けられているように感じたことはなく、今まで気づいていなかっただけなのか、都電特有なのかは不明(そもそも他の鉄道で、私がマスクをしないでシートに腰掛ける場合は空いている時だけなので、隣に人が来ることはあまりないのですが、都電ではそれまで空いていても、大塚や王子で人がいっぱい乗り込んできて、急に満員になるので、こういう状況が起きやすいのだと思います)。

 

 

next_vivanon

(残り 1436文字/全文: 3194文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ