騒いだのは乗客が悪いのだけれど、マスク拒否はそんなに悪いのか?—マスクよりもフェイスシールド[22]-(松沢呉一)
「7時間フェイスシールドをつけてみた日(下)—マスクよりもフェイスシールド[21]」の続きです。
※一部記述に間違いがあったので、訂正しました(9月13日)。
マスクを着用しない客にどう対処すべきか
釧路空港発・関西空港行きPeachの乗客がマスクを拒否した上に、機内で騒いだために新潟空港で着陸して、飛行機から降ろされた件ですけど、途中で着陸したのは騒いだことによるものであって、これについては乗客が悪い。
では、マスクを拒否したことはどうなのか。
「私だったら」と考えたのですが、すぐ横や前後にも乗客がいるんだったらマスクはするとして、空いている便だったら、マスクはしないと思います。
何か言われたら、おもむろにバッグからマスクを取り出してつけてから、「空いてるんだから、感染リスクはないべ」と文句を言います。空いている飛行機に乗るだけなら感染リスクはほぼないとしても、怒鳴り合ったり、殴り合ったりすると、感染したり、させたりする可能性が出てくるので、その時はマスクをします。そのためのN95マスクは常備しています。
マスク着用となっている店舗でも同じで、1人で店に入る場合はほぼつねにノーマスクですが(フェイスシールドをつけたことの方がたぶん多い)、今のところ、一度も注意されたことはありません。
横や前後に乗客がいる場合はマスクをするのは根拠があって、飛行機でのSARSの感染例があるのと、新型コロナでも感染例があるためです。
横や前後じゃなければ感染しないとも言えないし、Peachのサイト には乗客もマスク着用となっており、その点に同意して乗る以上はしゃあないというところもあって、マスクをつけて文句を言いつつ、そのままマスクを着用して乗ります。新幹線も長時間ですから、横や前後に人がいたらつけざるを得ないかな。
ここは都市部の電車とは違うところです。仮に電車に乗る時に文句を言われても、感染例がなく、わずか数分で空気が入れ替わりますから、怒鳴り合いが終わり、空いている車両である限りは、マスクを外します。
というのが私の判断です。
※2020年9月8日付「朝日新聞デジタル」より
マスク神話を信じる人たちの間違い
その乗客は私の判断とは違っていたわけですけど、マスクしたからと言って感染を完全に防げるわけではなく、気休めに毛が生えた程度のものでしかない以上、その乗客の判断も間違っているとまでは言えない。
航空会社としては「お客様はそれでいいとしても、他のお客様で不安になる方がいらっしゃいますので、つけていただけませんか」ってことになりますが、「持って来るのを忘れた」ということもありますから、航空会社は用意しておくべきです。
呼吸器系の病気で、マスクをするのは危険ということもありますから、フェイスシールドも用意しておくべきです。
それでも客が「どっちもしない」と言う場合は、他の乗客の不安を解消すればいい。そもそも「市販のマスクや手作りマスクごときで安心してんじゃねえよ」って話なのです。
マスクをしない人がいるとは思っていなかった客のためにもフェイスシールド、ゴーグルなどを用意しておくのが最善です。Peachでは、空港係員がフェイスシールドを着用していることですし、安いものなのですから、10枚程度各便に用意することができないはずがない。
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