松沢呉一のビバノン・ライフ

不織布のマスクをして「海を守れ」と主張する鈍感な環境団体—ポストコロナのプロテスト[2]-(松沢呉一)

マスクによる環境破壊とエクスティンクション・レベリオン—ポストコロナのプロテスト[1]」の続きです。

 

 

乳首は出してもマスクはする

 

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英国でのXR(エクスティンクション・レベリオン)による9月の抗議行動の最終日はトップレス・プロテスト。

 

 

 

 

この行動で10人以上が逮捕されました。

プロテスト文脈なので、全裸でも容認のはずですが、場所が議事堂前である上に、首をフェンスにロックしていたのがまずかったのでしょう。服を着ていても捕まります。

YouTubeでは年齢制限をして乳首を出すこともできますが、アクセスが激減するので、この動画では消すことを選択したようです(報道各社そうしてます)。

護送車の窓に手を押しつけてメッセージを出しています。“can’t bear the truth?”と書いてあります。「真実は耐えられない?」 「飢餓」「戦争」「暴力」など、環境問題に限らず、胸にネガティヴな現実を表現する言葉がそれぞれ書かれていて、それと手のひらが連動しています。このあと確認見ていくように、「じゃあ、おまえら、真実とやらをわかっているのかよ」と突っ込みたい。

乳首は出してもマスクはしてます。これなら公園や海岸にいても、チェコの警察だったら容認です。全員4℃と書かれた布マスクです。今世紀中に4度気温が上がることを指しているらしい。化繊かどうかまでは不明。

気になるのは乳より脇毛ですが、ニュースサイトの写真で1名は生えていることを確認しました。XRは過去にもトップレス行動をやっているのですが、脇毛率はせいぜい1割か。環境保護を訴えるわりには少ない。確証はないですが、10年前から環境保護運動をしている人だと脇毛率はもっと高いと思います。XRはポッと出ですから。

 

 

XRのマスク率

 

vivanon_sentenceこの時に限らず、XRはマスク率がメチャ高い。ロンドンでは、公共交通および公共の施設内でのマスクが義務化されていますが、一般参加者や取材陣ではマスクをしていない人もチラホラいるように、屋外は規制外。

屋外とは言え、人と人との距離が近いですし、コールをしたり、歌ったりもするので、唾液が飛びやすい。なおかつ逮捕される時は警官と密着しますので、マスクをした方がいいと判断するのは適切です。ほとんどマスクをしない私も、こういう場にはたぶんしていくと思います。買ってから一度もしてないですが、オシャレ布マスクもゲットしてます。

 

 

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