松沢呉一のビバノン・ライフ

営業時間の短縮は混雑を招くだけで予防効果がないことを明らかにした英国—ポストコロナのプロテスト[6]-(松沢呉一)

南アのBLMと農場襲撃に対するプロテスト—ポストコロナのプロテスト[5]」の続きです。

 

 

 

南アでのワクチン治験の補足

 

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前回見たアフリカでのワクチン治験についての補足です。あの治験は南ア側からのアプローチもあって実現したものです。開発しているのはもっぱら先進国であり、それらの国がワクチンを完成させても、自分らには回ってこないという危機感があってのことです。治験のデータを提供する代わりに完成時には優先的にワクチンを回してもらう。

直接にはヨハネスブルグにあるウィットウォーターズランド大学(the University of the Witwatersrand)が治験を実施しており、同大学の説明には、ワクチン接種のためには、その地域のデータが必要であり、この治験によってそのデータを整えてワクチン接種に備えたいといったことが書かれています。

これについて書かれたオックスフォード大学のサイトを見ても、それがどれだけのリスクを含むのかもわからないですが、反発する人たちがいるのは当然ではあって、プランデミック派の根拠なき反発とはとうてい思えない。テドロス・アダノムWHO事務局長だって以前は反対していた通り。

オックスフォード大学が開発したワクチンですから、本来だったら英国内でも反対が起きていいはずですが、南アだけならともかく、同ワクチンは英国でも米国でもブラジルでも治験を進めているので、あんまり文句は言えないか(各国の人数までは不明)。金額はわかりませんでしたが、やはり謝金は出るそうで、いっぱい金をくれるんだったら、私もやらないではないな。

この場合は判断がつかないところがありますが、英国のみならず、各国ともよその国のことまで手が回らず、それ以前に意識が回っていない感があります。バッタ被害も人災の側面があったように、今までなら抑え込めたことが放置になってしまう。

たしかにどこの国の政府も国民も、よその国の心配をしている場合ではないみたい。アゼルバイジャンアルメニアの戦闘はコロナと関係ないだろうと思ったら、これも他の国々がコロナで忙殺されているために拡大したようです。

 

 

再ロックダウンで高まるアンチ・ロックダウン・プロテスト

 

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ヨーロッパ各国で再度の感染者増加を受けて、新たな規制が始まっていてます。経済的疲弊が進む中、全面ロックダウンはもうできないため、範囲を限定したり、規制内容を前よりゆるめつつの再ロックダウンです。

そのため、アンチ・ロックダウン・プロテストが再度盛り上がっていて、以下は先週末のロンドン。

 

 

他の映像で確認すると、全体としては平和的な集会が開かれています。数千人としか書かれていないですが、万に達する規模か。

懐疑派のデモと報じているメディアもありますが、おそらく主催は単に規制反対で、そこにいつものごとくプランデミック派が集まっただけだと思われます。プラカードを見ると、アンチ・マスク派、アンチ・ワクチン派はそう多くはないよう。そういうプラカードを好んで取り上げるメディアだけを見ていると、プランデミック派の集まりに見えますので要注意。

マスクをしている人はまったくいないので、その点でもプランデミック派かとも思えましょうが、英国ルールでは、屋外でのマスク着用は不要。しかし、新ルールでは、実質的にいつでも警察は集会やデモに解散命令を出せて(以下参照)、この日も解散命令が出たために衝突し、プロテスター、警察双方に怪我人が出て、10人以上が逮捕されました。

陰謀論には警戒した方がいいですが、何もかもを陰謀論で片づけたがる人たちにも警戒した方がいい。何事も丁寧にひとつひとつ見ていくことが大事。

では、英国の新ルールも丁寧に見てみましょう。

 

 

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