End SARSからSARS Must Endへ—ポストコロナのプロテスト[20]-(松沢呉一)
「ナイジェリア全土で巻き起こる殺人警察SARSとの闘い—ポストコロナのプロテスト[19]」の続きです。
ミュージシャンも多数参加
映像を観る限り、多くの場合、#ENDSARSは平和的なデモを繰り広げていますが(下に出てくるように、警察が発砲した時に投石する程度のことはある)、何ぶんにも参加者が多いので、ラゴスでは高速道路が封鎖されました。
また、幹線道路もデモ隊で埋め尽くされて、機能停止。
今回はいかに大きなうねりになっているのかは以下を観るとわかります。私も最初はわからなかったので、調べましたよ。
これはラゴスのデモで、ミュージシャンが多数参加。やたらしゃべりがうまいのはたいてい歌手かラッパーだからです。コメディアンも多数参加しているそうです。
サムネイルにもなっているオレンジ色の髪の毛に白フレームサングラスはTACHA。
そのあとのカットで、建物の横を歩いているのはFALZやRuntownなどさまざま。
2分52秒あたりから、歩いている向こう側の黒いTシャツはTiwa Savage。彼女はしゃべりは得意ではないみたい。
あとはよくわからんかった。
この人たち、ムチャクチャ人気があります。
YouTubeで1億再生回数のミュージシャンも路上へ
せっかくなので、曲を紹介しておきましょう。
1億再生回数を超えているRuntownの曲。
あんまりナイジェリアっぽくなくて、これなら私も聴けます。つうか、好きじゃな。ガーナの女の子との恋の歌っぽい。
「エチオピア・ショック」があるため、差別的な歌詞が歌われていないかどうか気になってしまうのですが、ナイジェリアは公用語が英語のためにほとんどが英語の歌詞で、英米に進出しているミュージシャンも多く、聴くものとしても英米の影響が強いので、さすがにそれはなさそうです。
ナイジェリアは北部がイスラム圏で、南部はキリスト圏です。とりわけ北部のムスリムは原理主義が強く、LGBTは殺されかねず、国としても2014年に同性結婚禁止法を制定し、LGBTへの攻撃を法的に肯定。それでも若い世代はリベラルな層が増加していて、差別自体、エチオピアほどはひどくなさそうなので、これからはナイジェリアの音楽を聴くかな。
今回のプロテストもミュージシャンに代表される若いリベラル層が中心でしょう。
以下はFALZ。
SIMIちゃんの声、かわいい。SIMI単独の曲もいいです。
以下は米国デビューも果たしているTiwa Savageの曲。
これもイケます。全然わからんけど、売春の歌かも。
ライオンがペットのDJ CUPPYも参戦表明
以下はフェラ・クティの息子のフェミ・クティ(Femi Kuti)。
完全に国民的ムーブメント。
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