レキ虐殺(Lekki Massacre)の余波—ポストコロナのプロテスト[32]-(松沢呉一)
シリーズとしては「メキシコの法規制が警察の暴力を加速させている—ポストコロナのプロテスト[31]」の続きですが、内容は「血まみれにされた#ENDSARS—ポストコロナのプロテスト[29]」の続きです。
またも刑務所襲撃
21日の朝(ナイジェリア時間の20日の深夜)に「血まみれにされた#ENDSARS—ポストコロナのプロテスト[29]を更新したわけですが、あれ以降出てきた動画が多数あります。
以下は22日の出来事で、またも刑務所が襲撃されました。
これはラゴスのイコイ(Ikoyi)刑務所。憩いの刑務所なのに。
内部にカメラが入って撮った映像では、銃撃し続ける隊員に、隊長らしき人物が「誰も撃つな」と叫んでます。どこかの段階で「もう無理だから全員逃がせ」という判断になったようです。
刑務所襲撃は今回の逮捕者の釈放を求めているのではなく、犯罪集団が仲間の救出のためにやっている可能性がありそうです。便乗襲撃。
ちなみに私の好きな便乗疑惑映像は、広い道路の真ん中のバリケードに火をつけて交通を遮断し、サッカーをやっている人たちを撮ったものです。サッカーをしたかっただけとちゃうんかと。
虐殺の数時間後
以下は、虐殺直後の病院の様子(最後の方に出てきます)、その翌朝早くから始まる焼き討ち、略奪の映像をまとめたものです。相当に厳しい内容が含まれているので、観る人は覚悟のこと。人が殺される映像、血まみれの映像を観たくない人は飛ばしてください。
病院の映像を観るだけで、どれだけ軍の乱射がひどいものだったかわかります。軍だか警察だかは、虐殺のあと、救急車が現場に入ることも妨害したらしい。生き残った人たちが証言しないように死ぬのを待ったということか。
レキ虐殺のあとも各地で警察や軍は人を殺し続けています(警官もやられています)。
焼き討ちされたのは警察署だけではなかったこともよくわかります。TVCというのが出てきますが、テレビ局です。他にもTVCが焼ける映像は多数出ていて、おそらく全焼に近いだろうと思います。
政治家の事務所や親族の家まで焼かれています。警察署はまだしも建物にゆとりがあるからいいとして、政治家の親族だからと言って住宅街の個人宅に放火するのは危険すぎます。
暴徒と化した人々がショッピングモールなどの店を襲って略奪をしている映像は悲しい。早朝なので人的被害はないとして。
これ以外にもそのことを確認できる映像が多数あって、ラゴスのメインストリートはほとんどの店が破壊されています。
スーパーマーケットが襲撃されているリアルタイムの映像もあがっています。
たらふくメシを食ってこれを観ると、「ナイジェリア人はしょうがねえな」と思えますが、腹が減ると人間はこうなる。自分だってそうなることを踏まえておきたい。
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