松沢呉一のビバノン・ライフ

ついに私も店でマスクをするように注意されました—マスク・ファシズム[19]-(松沢呉一)

判断力が欠落した暴力マスク警察を催涙スプレーで撃退—マスク・ファシズム[18]」の続きです。

 

 

「マスクをして」と注意されて乱闘寸前に(ウソ)

 

vivanon_sentence「マスク・ファシズム」シリーズを復活させたので、休んでいる間にあったこと、考えたことをまとめておきます。

まず最初のご報告。1ヶ月ほど前に、私も店で「マスクをしてください」と注意されました。一度言われたかったので、心の中でガッツポーズですよ。

ただし、全然知らない店で言われたのではありません。馴染みとまではいかないながら、店員に顔を覚えられている小さな食料雑貨店です。女子店員が一人で切り盛りしていて、彼女はやたら愛想がよく、前にも軽く話しています。

今回は店に入る前からこっちに気づいてニコニコしていたので、店に入ってすぐにレジにいる彼女に話しかけたら、「マスクをしてくださいねー」と笑顔で言われました。

マスクをしていなかった時でも注意されておらず、今回はマスクをあごの下に下げていたために注意しやすかったのだろうと思います。

ビニールカーテンはありますが、こっちから話しかけてますので、催涙スプレーをかけたりせず、素直に従いました。感情を逆撫でするような言い方でもなかったですし。

でも、話しかけてもいないのにそんなことを言ってきたら、マスクを上に上げて文句を言います。「注意をしてきたそっちの行為の方が危険。それとてたいして危険ではないけれど、たいして危険ではないのだから、注意するのはおかしい」と。

※2020年7月14日付「CNN」 今までにもマスクをしてなくて殺された人の実例を多数取り上げてきましたが、米国でもいっぱいトラブルが起きてます。米ミシガン州でマスク着用義務の州法が施行された日に、マスクをしていない客を別の客が注意したら刺され、警官が刺した方(マスクをしてなかった客)がナイフをなお手にしていたために射殺した事件。刺された客は病院に運ばれて無事だったとのこと。この場合は銃を撃ったのはやむなしとしても、マスクごときで刺したり刺されたり、撃ったり撃たれたりはくだらんでしょ。でも、義務化をすると、必要がない状況でも法を根拠に注意する人が増えて、トラブルになって人が死にます。

 

 

会話も交わさないのにマスクをつける必然性がない

 

vivanon_sentence前から書いているように、スーパーやコンビニで単身買物をする際に会話を交わすことはほとんどない。値札がついていない時に「いくら?」と聞くことが稀にあるのと、目当ての商品が見当たらなくて「ありますか?」と聞くことが稀にあるのと、店員に頼まないと買えないコーヒーや煙草を買う時に商品名を言うくらい。レジにはビニールカーテンやアクリルのパーティションがありますから、感染リスクはほぼゼロです。

ちょっと前のこと。夜になって、スーパーに行ったら、たまたま私を含めてノーマスクが5人集まった瞬間がありました。周りは全員ノーマスク。

そのスーパーも入口に「マスク着用をお願いしております」と貼紙が出ているのですが、近所のスーパーで軽く買物という人たちはマスクをしない人たちがけっこういて、スーパーでは全体の2割くらいはノーマスクでしょう。当然の判断だと思います。

その2割が一瞬重なって、ノーマスク集団になり、「ノーマスク・ストレートフラッシュ完成」と思いました。

私とおじちゃんとおばちゃんと若いカップルの5人で、若いカップルは、ダベっていたんですよ。「この肉安い」とかって。

 

 

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