松沢呉一のビバノン・ライフ

文化財の破壊・人権委員会の占拠・金をめぐる対立—ポストコロナのプロテスト[61]-(松沢呉一)

メキシコシティの国立宮殿に投げられた謎の爆発物—ポストコロナのプロテスト[60]」の続きです。

 

 

覆面部隊は文化財を破壊

 

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2020年8月16日。

 

 

 

 

この時は追い払われていますが、夜になって侵入。

ここではそんなにひどいことはしていないように見えますが、彼女らがフェンスを外してよじ上ろうとしているのは「独立の天使」(dañaron el Ángel de la Independencia)という歴史的な建造物であり、国の指定を受けている文化財です。

昨年8月の行動の際、覆面部隊がここに侵入して破壊したため、「独立の天使」は修復が行なわれていました。

 

 

 

 

この損傷は、覆面部隊によるものだけではないでしょうが、あれだけ落書きがあることでわかるように、また、剥げたあとが新しいものも見られるため、覆面部隊によるものが確実にありましょう。

一般の人でも、この中に入れるようになっていたのですが、この損傷のために立ち入り禁止となり、その修復が行なわれていたのですが、この8月にまた侵入したのです。

1910年に建造されたもので、1世紀の歴史しかないとも言えますが、文化財を破壊するのは許されることではない。

すでに彼女らには共感がまったくないので、「ジェンダーに基づく暴力に反対する」という名目で暴力行為、破壊行為をしてんじゃねえよ」と言うしかないし、「アナキズムとヴァンダリズムは違うことくらいわかっておけ」とも言うしかない。

 

 

人権委員会の事務所を占拠

 

vivanon_sentenceその一方、こういう動きも起きています。

9月に入ってすぐのことです(英語字幕入りです)。

 

 

 

 

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