松沢呉一のビバノン・ライフ

おたまじゃくしはSolidarity Forever—「ビバノンライフ」6周年カラオケ[上]-(松沢呉一)

 

ウェブマガジンは6年やっても難しい

 

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ふと気づけば先月で「ビバノン」は6周年でした。6年やっても「ウェブマガジンは難しい」という感想はまったく変わらず。むしろ、混迷は深まっているかもしれない。

使い方の問題であって、難しいとは感じない人もいるでしょうが、私のような使い方をする人にとっては難しい。その難しさを説明することはできるのだけれど、説明したところでその難しさは簡単には克服ができないことが混迷を維持しています。

考えてもしょうがないのですが、このところ、考えないではいられないことが続いて、すっかり調子が悪くなってしまってます。

気分転換にカラオケでも行きたいのですが、カラオケをする場合は必ず今まで歌ったことのない曲を歌うことを自分に課しているため、新曲(最新の曲じゃなくても、私にとっての新曲)を仕入れておきたい。

子どもの頃や学生の頃に流行っていた曲で、「覚えているけど、歌ったことのない曲」はいくらでもあります。道を歩きながらふと口をついて出てくるのはそういった古い曲だったりします。

最近、道を歩きながらよく歌っているのは「ハチのムサシは死んだのさ」です。正確な表記を知るために、今、Wikipediaで見て知ったのですが、この曲は学生運動を示唆した内容だったのか。

改めてカラオケで歌いたくもなってますが、人から求められた時以外、原則前世紀の曲を歌わないことにしているし、歌っても自分が面白くない。刺激がないのです。

1カ月以上前に誘いがあって、コロナ以降初めてカラオケをした時も、新曲に困ってしまいました。正確に言えばこれからメシに行こうという誘いがあって、話が楽しくて電車がなくなり、朝まで皆でカラオケをしました(ここに出した写真はその時に撮ったもの。曲は忘れた)。急だったので、曲を用意していなかったのです。

 

 

EndSARSで歌われていた「Solidarity Forever」

 

vivanon_sentenceその頃、ナイジェリアのEndSARSがらみのものばかり聴いていて、ラップの「Fuck the Police」など、いくつかのフレーズは覚えてしまっていますが、カラオケにあるわけがない。

EndSARSではよく「Solidarity Forever」が歌われてました。

 

 

 

 

このピート・シガー(Pete Seeger)のヴァージョンがよく知られていますが、メロディは「リパブリック賛歌(Battle Hymn of the Republic) 」が採用されています。

 

 

 

 

「リパブリック賛歌」は南北戦争時の北軍の行進曲ですが、「Say、Brothers、Will You Meet Us」という18世紀の讃美歌が元ネタです。

 

 

 

glory glory hallelujah」もメロディもまんまです。

 

この曲が日本では「おたまじゃくしはかえるのこ」の曲として浸透。

 

 

 

 

一番しか知らなかったですが、全部聴くと歌詞がおかしい。笑いました。

そして、これがヨドバシカメラの歌に起用されます。

 

 

おたまじゃくしはSolidarity Forever

 

vivanon_sentenceおたまじゃくしはかえるのこ」で馴染んでしまっているので、ナイジェリアの抗議行動で皆が「おたまじゃくしは〜」と歌っているのは、感激しつつ、おかしな感覚があります。

動画のタイトルやタグに曲名が入っているわけではないので、いざEndSARSでの「Solidarity Forever」を探すと皆で歌っているところは見つからなかったのですが、以下の映像で一人で歌い出しています。

 

 

 

 

大幅にアレンジが加わっていて、わかりにくい。

 

Solidarity Forever」は、映画「パレードへようこそ」(PRIDE)でも出てきました。

 

 

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