松沢呉一のビバノン・ライフ

SMクラブに行った方が安全だけれど、本気で軽蔑されたい変態はヘルスやソープランドへ—高嶋政宏著『変態紳士』[派生編]-(松沢呉一)

高嶋政宏著『変態紳士』の派生編です。高嶋政宏は直接には関係がなく、自分が書いたことの補足です。私は出してもいいと判断した内容ですが、怒られるかもしれないので、本論は有料部分でこっそり書いておきます。

 

 

 

変態を晒すならSMの店に行くべし

 

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気軽に行ける人が増えてはいても、いまなお変態である自分を受け入れ難く、SMクラブやSMバーは怖いという人たちもいます。欲望を自覚しながらSMの店に行くのが怖い人たちの中には、ヘルスやソープランドに行き、相手のことがある程度わかってきた時に、「ちょっとお願いがあるんだけど、顔を踏んでみてくれない?」と頼んだりします。

マゾヒストたち』にもあったように、SMクラブがなかった時代は、遊廓、赤線、トルコ風呂などでそういう欲望を果たす人たちがいたわけですが、今もその伝統は続いています。

ここで注意。素足で顔を踏んでもらったり、顔面騎乗をしてもらうくらいだったらいいのですが、まったく経験のない人にヒールで踏んでもらったり、異物をケツに突っ込んでもらうのは禁物です。素人さんは、どこまでやっていいのか、何をしてはいけないのかがわからないので危険です。怖いように思えても、技術があって、経験値の高い女王様にやってもらった方が安全です。

自由であるとはどういうことか—高嶋政宏著『変態紳士』[上]に、「ヘルスやソープランドよりは漏れにくいとは言え、SMの世界でも情報が漏れる時は漏れる」という話を書きましたが、とくにイレギュラーのプレイを求める客がヘルスやソープランドに行くと漏れやすく、SMクラブでは漏れにくい。

情報を秘匿する意識がSMの店の方が強いということもありますけど、それよりも「顔を踏んで欲しがる客」「尻にディルドを入れて欲しがる客」はSMクラブには毎日来ますので話題にならないのです。でも、ヘルスやソープランドでは話題になってしまいます。

最近もこれに類する話を聞いたところです。

 

 

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