松沢呉一のビバノン・ライフ

これからの展開(はとくになし)—Facebookのアカウント死亡のお知らせ[下]-(松沢呉一)

昨年末からの混迷について—Facebookのアカウント死亡のお知らせ[上]」の続きです。

 

 

死亡宣告

 

vivanon_sentence更新本数が多いと、ひとつの記事当たりのアクセスは減ります。1日1回FacebookやTwitterをチェックする人がいるとして、3本更新されていると、最新のものをクリックして終わります。

まして、人気のないものを続けると全部飛ばされます。「ポストコロナのプロテスト」は派生シリーズを含めて3ヶ月ちょっとで90回以上やっています。ほぼ毎日。これが大失敗でした。

それを防ぐために、違う内容のものを入れ込んでも、本数が多いと気づかれない。

こうしてFacebookの「ビバノン」アカウントは表示されにくくなり、リーチ数もエンゲージメント数もどんどん減って、ついには「ビバノン」に誘導するアカウントして機能しなくなってしまいました。死亡です。

そこで1日1本に戻したのですが、これはこれで問題があって、読む人が多そうなものを優先する結果、「ポストコロナのプロテスト」だけでなく、ナチス・シリーズも後回しになって出すことができない。国外ものや歴史ものは全部出せない。

性風俗については読む人がいても、エロだからであり、実用性があるかもしれないからであって、議論系セックスワーク関連は読む人が少ないので、これももう出せない。

需要のないことを書き過ぎってことですが、書きたいことを好きなだけ書いていたいじゃないですか。

講読者が読もうと読むまいと、自分の書きたいことを書いていられればいいのですが、当然のことながら、読むものがなくなると講読をやめてしまう人が出ます。PVの少ない記事が続くと、事実、講読者数が減ります。

もう終わりかと思っていたコロナ関連はまた緊張が高まってアクセスが増えているため、しばらくはこれを続けるとしても、この先、古いエロ原稿の循環をしていくしかないのかと思うと、いかに金をいただいても、私自身にとって「ビバノン」の存在意義がない。

数字が全部わかる時代は数字に支配されるようになります。テレビでは以前から視聴率という数字に分単位で支配されていたわけですが、雑誌や新聞は記事単位の数値までは気にしないで済んでました。しかし、インターネットではすべてが数値化されて、恐怖を煽ればアクセスが増えて、デマまじりの記事を書くようになる。プロテストのもっとも派手な部分の動画や写真をメディアが切り取ってアクセスを稼ごうとするために、全体が見えなくなる陥穽も起きやすくなります。

それに抗うつもりでやっている「ポストコロナのプロテスト」の数字が少ないことでやめてしまったら、「オレは数字で動かされる機械か」って話です。なれるものなら、いっそ機械になりたい。

※この回もエンゲージメントはゼロでしたが、サムネイルが本の表紙でも「投稿を宣伝」になってます。古いものでも本の表紙をサムネイルに使用していると宣伝できないはずですが、どうしてこれはパスなのか不明。Facebookは本の表紙図版をストックしていて、それに合致するものはアウトで、ストックされていないものは見逃されるってことなんですかね。一世紀前のロシアの本だし。

 

 

週末処理場について

 

vivanon_sentenceそこで週末処理場をスタート。読まれない記事は週末にまとめて処理して、ここは飛ばして、平日だけ読んでいただければよろしいかと。少ないとは言え、読みたい人は読めるわけですし。

Facebookはどういう計算式で表示の順位を決定しているのか公開しておらず、週末に10本更新して、すべて飛ばすと結局表示されなくなるのかもしれないため、この方法で「ビバノン」アカウントを再度浮上させることができるのかどうかわからないのですが、それ以外に考えられる方法がない。

 

 

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