松沢呉一のビバノン・ライフ

今週末も目が離せない反プーチンの動きと軟禁をやっと解かれたボビ・ワインについて—ポストコロナのプロテスト[105]-(松沢呉一)

マスクによって感染率が変化するかどうかを調べたデンマークの報告書—ポストコロナのプロテスト[104]」の続きですが、「「プーチン宮殿」がロシア国民を激怒させた—ポストコロナのプロテスト[101]」と「ムセベニ大統領が不正をした可能性はある。しかし、不正の証明は難しい—ポストコロナのプロテスト[89]」の続報的な内容です。

 

 

 

先週末のまとめをしているうちに今週末に

 

vivanon_sentenceFacebookを捨てて、ただ機械的に更新するだけになったら、読者のニーズなど知ったことではなくなり、自分自身の興味に一気に走って「ポストコロナのプロテスト」が続いてしまってます。

先週末は触れておいた方がいい動きが各国で起きていて、それをまとめて、1日2本から3本のペースで出しました。ウクライナ香港オランダロシアインドデンマークを大急ぎでなぞってきたわけですが、先週末にチェックしていた国はまだあります。今もまとめているところなのですが、そうこうするうち、今週末になってしまいました。

今週末は、ロシア全土でまた大きな反プーチン・プロテストが予定されているのが目玉。

インドのファーマーズ・プロテストはその後も荒れていますし、中絶の実質禁止に対するポーランドのフェミニストたちによるプロテストがまた大きくなってきています。メキシコのフェミニストにはまるで共感できなかったですが、こっちには共感があるので、目が離せません。

ポストコロナのプロテスト」は派生シリーズを含めて100回まではやろうと決めていましたが、派生シリーズを入れずとも100回を越えました。

ここに至ると、「あれの続きだな」とたいていのプロテストはすぐに理解できます。「プランデミック派のプロテストはもういいや」と切り捨てる判断も早い。

今まで取り上げていない国でも、これまでの類型で表層は理解ができるのですが、国によって背景は違うので、ついつい深入りしてしまいます。歴史を調べたり、選挙制度を調べたり、人物を調べたり、報告書を読んだり。

※英語版Wikipediaよりロシアで切手になった巨大ゴキブラー。一昨日公開されていたナワルニーによるメッセージに、コルネイ・チュコフスキーの「タラカニッシェ」が出てきました。もろちん、これはプーチンのことです。同時にベラルーシのスリッパ革命に対する連帯の意味を込めていそうです。対ゴキブリ・プロテストつながり。こういうことにもすぐに気づけるようになりました。

 

 

「日本はいい国」と言い続けられるかどうかの瀬戸際

 

vivanon_sentenceという状態なので、「そろそろこのシリーズ以外のものも出しておかねば」と思いながらも着手できず、話が途中になったものも放置していて、日本という国で起きていることにも関心が薄くなっています。おかげで身近なところで起きている悲しい出来事も知らずに済んでいます(昨日、知ってしまいましたけど)。

関心が薄くなりつつ、特措法改正は気になります。懲役刑は外れたものの、罰金刑は残るのかもしれず、私としてはこれが通ったら、「検査に行くな、病院に行くな。罰金刑になるぞ。感染したと思ったら納豆食って家で治して誰にも言うな」キャンペーンを展開したいと思います。今まで言っていたこととあんまり変わらん。

どこのアホな政治家どもがこんなことを言い出したのか知らんけど、この実績で票をとれると思ったのだとしたら、残念ながら少し正しい。「みんな揃って検査して、みんな揃って自粛して、みんな揃ってマスクして、そこから外れる非国民は叩きのめせ」という人たちが確実に増えていましょう。罰則がないのはいいこと、個人が判断できる国はいい国であるということがわからんヤツらです。

「意味のない義務化、罰則化は効果がない分、エスカレートする」という法則が世界各地で発揮されていることはここまで見てきた通りです。とくに周りに合わせることが最大の行動原理である日本では、一度できた流れをとめられなくなります。

「日本はいい国」と言い続けることができなくなる瀬戸際ですが、アムネスティや弁護士会も反対声明を出しているので、各団体にお任せします。

アムネスティ日本支部の声明

 

 

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