機械に「マスクをしてください」と注意されました—緊急事態宣言に抗する[8]-(松沢呉一)
「深夜も営業している飲み屋の実情と「公園飲み」の実情—緊急事態宣言に抗する[7]」の続きです。
機械に「マスクをしてください」と注意されて動揺する
よく店の入口やテナントビルの入口に自動検温器が置かれているじゃないですか。冷気に晒された状態だと皮膚の表面の温度が下がってしまうため、入口で計ってもあんまり当てにならないと思いますけど、「顔を近づけてください」と音声が出るので、疑うことを知らない素直な性格の私は顔を近づけることもあるわけですよ。
昨日、顔を近づけたら、「マスクをしてください」と注意されました。「そんなことまでわかるのか!」と感心しつつ、「オレ様が機械に注意された」との屈辱感に襲われ、そのふたつの感情が交錯して頭が割れそうになりました。
所詮機械ですから、無視すればいいのですが、慌ててマスクをしましたさ。
人間なら話せばわかりますが、機械だと何をするかわからない。従わない人のパソコンにコロナウイルスを送り込んだり、寝ているうちにクーラーの電源を入れて凍死させて、マスクをしなかったせいであるかのように工作したり。
こうして機械が人間を支配していくSFの設定がありますが、そういう時代がもうそこまで来ています。
んなことはないけど、顔のデータを保存できるので、店のバイトがデータをどっかに売るかも。
今度試してこようと思いますが、あれってフェイスシールドをしていても、マスクをしていないと注意するんだべ。腹立つな。
マスクをしているかどうかまでわかるんだったら、もっと役に立つことを教えてくれれば、こっちもありがたい気持ちになるのに。
「あなたは椎間板ヘルニアです」
知ってるよ。
「チャックが開いてます」
大きい声で言うなよ。
※ノーマスク判定機能と自動アルコール噴霧器がついて楽天で税込み88,000円。アルコールを吹きかけようとすると、「顔を近づけてください」と言われるので、検温する率が高くなるはずです。
マスク率はなお高い
暖かくなってきたので、少しはマスク率が落ちているかもと思って、そのあと新大久保で100人カウントしたのですが、完全ノーマスク率は3パーセントでした。駅の近くで、午後6時台だったため、電車利用の比率が高く、その割にはノーマスクが多いとも言えますが(この時間帯だと1人か2人が昨今の標準)、誤差の範囲ですから、なおはっきりと増えているとは言えない。
この3人の内訳は、犬の散歩をしている60代男性。手に何も持っていない60代男性。同じく南アジア系(スリランカとかバングラデシュとか)と思われる40代男性。
だいたいどこでもノーマスクは男に偏りがあります。全員住民と思われて、新大久保の裏通りは住宅地のため、この時間帯でも、ノーマスクで「ちょっとそこまで」ということになるのだろうと思えます。
完全ノーマスクの人たちとは別に、マスクを下げている人が3名いました。繁華街の標準的数値であり、こちらは女子もいました。
なお、「食べている人」「飲んでいる人」「(タバコを)吸っている人」「(自転車に)乗っている人」「走っている人」はカウント外です。新大久保はとくに女子で「食べている人」「飲んでいる人」が多い街です。
小学生以下の子どももカウント外。幼稚園児はマスクを嫌がる子どもがいるのと、正しくつけられない子どもがいるために、マスク率が低い。小学校では登下校時はマスクをしていても、エリアによっては遊ぶ時は外す子どもが多いため、これも除外。
(残り 1536文字/全文: 3012文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ