松沢呉一のビバノン・ライフ

カタルーニャとバレンシアの音楽群[7]—ポストコロナのプロテスト[137]-(松沢呉一)

カタルーニャとバレンシアの音楽群[6]—ポストコロナのプロテスト[136]」の続きです。

 

 

バレンシア

 

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以下はシャビ・サリアって人の「COM ANIMALS SALVATGES」って曲に、前回登場ロバ・エステーザが参加。

 

 

ロバ・エステーザのメインヴォーカリストは髪の毛を短くして、印象が大きく変わりました。

COM ANIMALS SALVATGES」は「野生動物のように」という意味で、「ヤツらの暴力と闘うために野生動物のようになれ」といった内容。

このシャビ・サリアはバレンシア出身です。

 

ここからはバレンシア編ですが、軽く前提になる話を書いておきます。

地理さえもよくわかっていなかったのですが、バレンシアとカタルーニャは地理的にも文化的にも言語的にも近いのですね。

 

Wikipediaより

 

スペインの東端、地中海側。言葉もカタルーニャ語とバレンシア語は同系で、互いに聞けばわかる。他地域の人たちだとそうはいかず、聞いても理解できない。自動翻訳でも区別されていないので、以下、バレンシア語はカタルーニャ語として扱います。

スペインの人口は4,700万人。カタルーニャ州の人口は750万人。国全体の人口比で考えると、日本で言えば大阪府と京都府と兵庫県が独立するみたいな話です。バレンシア州の人口は500万人ですから、これも一緒に独立すると、関西エリア全部が独立するよりもっと大きい話。関西が独立すると、東京から中国四国九州に移動する際にパスポートがいるので面倒くさく、その点カタルーニャとバレンシアだったらそういうことはないにせよ、大きな話なのです。

なお、バレンシアなどスペイン東南部は、昨年11月には記録的な大雨で洪水になってます。世界中、どこもかしこも。

バレンシアは1980年代にクラブシーンが盛り上がって国外でもその名を知られていたのですが、ドラッグが蔓延し、警察が踏み込んでクラブは壊滅。現在もゲイクラブを含めて数々のクラブが営業しているのですが、往時の面影はないということらしい。

クラブに限らず、90年代のバレンシアは文化的には冬の時代になります。しかし、この頃からバレンシア・ナショナリズムというべき文化的ムーブメントが始まります。フランコ政権に言語を禁じられて以降、音楽でもスペイン語になっていたのに対して、バレンシア語を使う。

2012年にはバークリー音楽大学スペインキャンパスがバレンシアに開校。たまにバークリーのスタジオを使用した動画があります。

 

 

オブリント・パス(Obrint Pas)

 

vivanon_sentenceオブリント・パスはバレンシアのバンドで、オープニング・ステップの意味。

 

 

 

気づいた方もいらっしゃいましょうが、このオブリアント・パスのボーカルがシャビ・サリアです。YouTubeに任せて、次々とMVを観ているうちに、「似たような容貌のミュージシャンがいるなあ」と思っていたのですが、同一人物でした。

 

 

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