カタルーニャとバレンシアの音楽群[19]—ポストコロナのプロテスト[149]-(松沢呉一)
「カタルーニャとバレンシアの音楽群[18]—ポストコロナのプロテスト[148]」の続きです。
テサ(TESA)
プピル・レスとエブリ・ナイトがゲストのテサ「La cançó de l’hivern」(冬の歌)。
セックスのことも歌っているし、夏のことも歌ってますが、プロテストの要素はとくになし。
次はテサのフェミ・ソング「Dones」。
Donesはカタロニア語で女性。
テサの次に出ているのがアンドラ(Andrae)。英語だと読みはアンドレで男性名。アンドレ(Andre)でも男性名。スペインでもアンドラはおそらく男性名。ミュージシャンでは、以前から、女が男のような名前をつける、あるいはジェンダーニュートラルな名前をつけるのは珍しくなかったかと思います。この話は「男の名前・女の名前」シリーズに続く。
次がマチューテ・エン・ボカのジャズウーマン。彼女は引っ張りだこ。
最後はエリフクシア(Eryfukksia)。この名前はスカンジナビア系のようです。
「私たち女が立ち上がったらどうする?」みたいな半分脅しめいた歌。
RPG 7
スペイン語だと「エレ・ペー・フェー・シエテ」、カタルーニャ語だと「エア・ペー・ジェ・セ」に聞こえます。
スペイン語のrは強い巻き舌になることが売りで、巻き舌ができない人はスペイン語で苦労すると言われてますが、r音には二種あって、強いr音では巻き舌、弱いr音ではl音にも聞こえます。
対してカタルーニャ語は巻き舌にならない。どっちの言葉かを判定する時の基準になりそうです。
以下は今年3月に出たばかりの「RPG 7 CREW」。
ハードコア+バカ騒ぎ+アンティファ。
こっちより「¡LIBERTAD PABLO HASÉL!」でのヴォーカルの方が緊張感があって私は好きです。
ラット・ジンジャー(Rat Zinger)
ラット・ジンジャーもハードコアパンク・バンド。
2017年の曲「El Kaos en mí」
タイトルは「私の中のカオス」という意味のスペイン語。これは自動翻訳する前に見当がつきました。このシリーズをやったおかげでスペイン語とカタルーニャ語を少し覚えた。
1980年頃のハードコアをそのまんま続けている感じ。たいしたもんとも言えるし、よく続くなとも思います。
(残り 1503文字/全文: 2732文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ