松沢呉一のビバノン・ライフ

カタルーニャとバレンシアの音楽群[18]—ポストコロナのプロテスト[148]-(松沢呉一)

カタルーニャとバレンシアの音楽群[17]—ポストコロナのプロテスト[147]の続きです。

 

 

グリム(GRIM)

 

vivanon_sentence「¡LIBERTAD PABLO HASÉL!」でGRIMは画面に登場せず、モニターで歌詞を見せているだけ。あれはメンバーではないでしょう。「映像を送ってくれ」と頼んでいるのに送られてこなくて、痺れを切らしたか。

このグループは詳細がわからず、以下は今年の1月発表のMV。

 

 

おそらく最近活動をスタートさせたグループないしは個人なのだろうと思われます。

タイトルの「P★★★★Gang」は「Pussy Gang」だと思われますが、歌詞がわからんので、マンコによるギャングの意味か、マンコに対するギャングかは不明。

Pussyは伏字にしなきゃいけないんだっけか。プッシー・ライオットはどうなるって話ですが、こういったワードが入っていると、YouTube上の扱いが悪くなるので、その対策か。

 

 

フェティッチェ 13(FETITXE 13)

 

vivanon_sentence

すでに紹介済みのKOPは飛ばして、次はフェティッチェ 13。フェティッチェはスペイン語でもカタルーニャ語でもフェティッシュのこと。13はカタルーニャ語だとウートレス。スペイン語だとウノトレースかと思われます。

2020年12月の曲「VERITATS COM A PUNYS」。

 

 

タイトルは「拳のような真実」の意味のカタルーニャ語。

パブロ・ハーゼルの名前も出ていますし、タイトルは拳を振り上げることを意味しているのでしょうが、曲調通り、歌詞の内容はもう少し穏和。歌詞を見ても、何を言っているのかはよくわからないけれど。

 

 

ラグリマス・デ・サングレ(Lágrimas de Sangre)

 

vivanon_sentence

Lágrimas de Sangre(LDS)はスペイン語で「血の涙」。

2015年の「Buen Viaje」。スペイン語で「良い旅を」の意味。

 

 

この曲は旅先の売春宿で会った女に向けた手紙のようにも読めますが、よくわからん。レインボーフラッグが一瞬出てきますが、内容とは直接関係なさそうです。

このMVを含めて、LDSのMVはいくつか観ていました。ラップパートの比重の大きい叙情派スカ(スカばかりじゃないですが)。

LDSの MVはのきなみ再生回数が数百万、1千万再生回数を超えているものもあります。「¡LIBERTAD PABLOHASÉL!」の参加ミュージシャンではもっとも人気があり、私もこのバンドは好きなのですが、政治色は感じられず、グループ名も歌詞もスペイン語ですから、独立派でもなさそうで、ここまで取り上げてきたミュージシャンとの接点も見られなかったので外してました。

そういうバンドでもいざという時は立ち上がる。「¡LIBERTAD PABLOHASÉL!」ではフロントの3名のラッパー+シンガー(真ん中の鼻づまりの人が歌の担当)が揃って参加です。

 

 

next_vivanon

(残り 1273文字/全文: 2668文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ