アップルデイリー(蘋果日報)からまたも逮捕者—なんでも逮捕できる国-(松沢呉一)
「さよなら、アップルデイリー(蘋果日報)—その無念を共有し続けたい」からゆるくつながっています。
アップルデイリーの主筆が逮捕された
各国のメディアからも、一部政治家からも批判されながら、中国は聞く耳を一切持たず。
深夜に香港メディアが以下を報じてました。
2021年6月28日付「明報新聞網」
「アップルデイリー」の主筆兼英語版「アップルデイリー」編集長だった馮偉光氏が英国行きの飛行機に乗る寸前に空港で逮捕されました。
その後、日本のメディアも一斉に報じていて、「朝日新聞デジタル」によると、「捜査当局は、同紙が掲載した記事によって米欧から中国への制裁につながったと主張している」とのこと。中国共産党にとって不都合なことはなんでも抵触。今回と同じ論理で「武漢ウイルス研究所から漏れた説」も国安法違反です。もはや「武漢肺炎」「武漢病毒」だけでも捕まりかねない。
「さよなら、アップルデイリー(蘋果日報)—その無念を共有し続けたい」に書いたように、中国政府はウイグル人を強制収容所にぶちこんでも、アフリカ諸国で裏金を握らせて政府高官を言いなりにして国民を奴隷扱いしても、武漢ウイルス研究所から漏れたことを示唆するデータを隠しても、効き目が悪く、副作用も憂慮されるワクチンをあちこちに押し付けても、なーんも気にせず。ごり押しでイケると踏んでいます。
そりゃ、「武漢ウイルス研究所から漏れた説」を「陰謀論」で片付け、「武漢肺炎」「武漢ウイルス」は差別用語だとの決めつけをまんまと西側諸国でもやってくれている人たちがいるんだから、笑いが止まらんでしょう。
さらに逮捕が続くという読みも出ていますが、「アップルデイリー」関係者よりも、次はネットメディアじゃなかろうか。同じ容疑で全部潰せますので。
難しいことを簡単に考える人々の増大
「乾貴士のナイスなギャグか、アジア人差別か—心の内務省を抑えろ(ボツ編)」を昨日復活させましたが、他にも出していない「差別検証もの」があって、年中そんなことをやってきました。こういうことをしていかないと、表現はどんどん不自由になっていくとの思いがあってのことですが、「武漢肺炎」「武漢ウイルス」を差別表現だとする人々の群れを見ると、もう何をしても無駄なんだなと思います。
最初から中国共産党支持者は平常運転として、一昨年は民主化支持のようなことを言っていた現太鼓持ちたちはなぜ中国共産党のケツの穴をなめられるようになったのか、いくつかの可能性を挙げてみます。
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