松沢呉一のビバノン・ライフ

昨年広州市で起きたナイジェリア人差別は氷山の一角—脳内地図を修正する試み[4]-(松沢呉一)

アフリカを食い荒らす中国—脳内地図を修正する試み[3]」の続きです。

 

 

 

セキトレコ(セチトレコ)選手にこだわる理由

 

vivanon_sentenceおお、TBSがセキトレコ(セチトレコ)選手のインタビューをしているぞ。

 

2021年7月31日付け「TBSニュース

 

よくわからん容疑で訴追されながらも、保釈になって家に帰れたのはよかった。

名古屋に知り合いがいたのではなく、なんの当てもなく行ったのか。そこで知り合った人がごはんを食べさせてくれたという話に感動したわ。アフリカ系なのか、日本人なのか、それ以外なのかもわからんけれど、親切な人がいますね。

失踪した理由はオリンピックに出られなくて動転したのと、ウガンダの生活が苦しいこと。当初伝えられていた通りです。これ以上のことは詮索しなくていいんじゃないかな。かえって立場が悪くなりかねないので。

で、ここでもセチトレコになっていて、本人に確認しているでしょうから、セチトレコでいいのか。英語が公用語のウガンダで、「ki」が「チ」という発音になる事情も報道して欲しかった。

なぜこうも一重量挙げ選手のことが気になるかと言えば重量挙げのマニアだからです。なんてことはなくて、ボビ・ワインの件で連日報道を見ていたので、脳内地図におけるウガンダの領地が広がっていたからです。ムセベニという名前がすぐに出てくるくらいにはウガンダのことを理解しました。

 

 

取材妨害も殺人予告も肯定する中国政府

 

vivanon_sentence続いてもうひとつTBS。

 

 

 

導入の枕のつもりだったドイツDWの記者に対する嫌がらせ問題はどんどん拡大していて、ついには米国務省対中国外務省のバトルに。

中国側の言い分にはなんら具体性がありません。中国共産党は組織的にBBCの記者を付け狙って、殺人予告までしていても、BBCが悪い。全部人のせい。中国らしい。

中国外務省の報道官はいつになく苛ついている様子が見てとれます。災害の死亡者をごまかしているのではないかとの疑惑は以前から国内で出ていたものですから、そこに国外メディアが関わってくるのは避けたいのでしょう。

中国政府は大変ですよ。河南省最大の農作物である小麦(中国全土の3割)は6月に収穫を終えていたため、農作物の被害はさほどではないらしいのですが(中国メディアによる)、それでもこの洪水の被害は甚大。それに加えて、数は少ないながら新型コロナの感染者が南京市から各地に拡大していて、ただでさえ評価が落ちている中国産ワクチンの効力に疑問符がつき、ワクチン商売は暗礁に乗り上げそうです。広東省の台山原子力発電所は燃料棒の破損で運転停止だし、中国ハイテク株は下落し続けているし。ほんの少し同情しないではない。

 

 

脳内地図で領地を拡大すればするほど腹が立つ中国

 

vivanon_sentenceといったように中国に関する報道をマメにチェックするようになっているのは脳内地図での中国専有地域を拡大しているからです。興味を持てば持つほど腹が立ちますが、このシリーズのテーマは、アフリカにいる中国人たちをサンプルに「興味を抱かないことは潜在的差別意識につながる」と明らかにすることです。

 

 

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