松沢呉一のビバノン・ライフ

とっくにティッピングポイントに達していたことを示したとしか思えない2020年の数値—フレッド・グテル著『人類が絶滅する6のシナリオ』より[4]-(松沢呉一)

人類が滅亡しないわずかな可能性を実現するために必要な条件—フレッド・グテル著『人類が絶滅する6のシナリオ』より[3]」の続きです。「まだ少しは地球と人類に希望があるのかもよ—IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の「第6次評価報告書」」と「地中海沿岸・カリフォルニア・シベリアの森林が今も燃えている—フレッド・グテル著『人類が絶滅する6のシナリオ』より[付録]」も併せてお読みください。

 

 

 

世界がもっとも暑かった7月

 

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日本列島は西日本が記録的豪雨で、南関東も激しい雨です。今回の特徴はなかなか前線が移動してくれないことです。これからは何が起きるかわからんですから、このまんま3年間雨が降り続いたらどうしようと不安になります。

雨とともに真夏とは思えない涼しさですが、米国海洋大気庁(NOAA)によると、この7月は、記録のある142年間でもっとも地球は暑かったらしいですよ。

 


2021年8月13日付「NOAA NEWS

 

そりゃ、オリンピックがありましたから、世界中、熱気ムンムンでさあ。さて、オリンピックはあと何回開けるのでしょう。未来永劫続くかもしれないし、東京が最後だったかもしれないし。

 

 

2020年、コロナ禍で起きたこと

 

vivanon_sentence地中海沿岸・カリフォルニア・シベリアの森林が今も燃えている—フレッド・グテル著『人類が絶滅する6のシナリオ』より[付録]」に書いた内容をそのまんままとめたような短かいドキュメンタリーをAFPが公開しました。

AFPの動画は埋め込みができないので、YouTubeに飛んでください。

 

 

 

 

ここで注目は再生回数です。3日でまだ3千。ちょっとしたYouTuberで、3日で数十万に達するのもいるのに、天下のAFPがやってもこの数字。

つまり、前回書いた「締切3」をクリアするのはまだまだ先ってことです。

絶望的でしょ。では、この辺で希望が見える話をしたいと思います。

コロナ禍によって、地球環境は好転したと思っている人は多いでしょう。とくに2020年は、人の移動が極端に減って、飛行機が飛ばなくなり、交通量も減り、生産活動が停滞し、各都市の大気がきれいになったという話がありました。やればできるのです。この勢いでCO2の排出を抑えていきましょう。

BBCもそう言ってます。

 

 

 

 

ごめんごめん、これも絶望的な話じゃった。

たしかに煤塵が減って空気がきれいになった都市は多いし、CO2の排出は記録的に減ったのですが、大気中のCO2濃度は過去最大を記録してしまいました。

この動画では「あの状態を長期間続ければいい」という結論になっています。そうするしかもうないのですけど、そうしたところでもはや間に合わないことを昨年の数字は示している可能性があります。

昨年後半は、とくに隠蔽工作をして初動にミスってウイルスをばらまいた中国が、他を出し抜いて経済活動を再開してCO2を排出しまくります。それでも世界全体としてはCO2の排出量は減ったのに、大気中のCO2濃度が増加したのはなぜか。

 

 

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