松沢呉一のビバノン・ライフ

チェカTVとマゴソスクール—その地で支援することと遠くから支援すること-(松沢呉一)

YouTubeで世界を近くする試み—ケニアのチェカTVを推す」の続きです。

 

 

ケニアのキベラ・スラムにあるマゴソスクール

 

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「ビバノン」においてはアフリカネタを読む人があんまりいないので、アフリカの話は飛び飛びでやっていく予定だったのですが、昨日、これが公開されていたので、続けて出します。

 

 

 

 

これはNHK中部7県で6月に放送された番組で、おそらく許可をもらって、早川千晶さんのアカウントで公開されたものです。

私の言葉では通じにくいでしょうけど、この番組を通すと、遠いところにいる人たちの生活を知り、顔を知ることの意義がわかろうかと思います。「今ここにいる私」とは違う視点を得る。遠いだけにアフリカはそれを得やすいかもしれない。

これを観ていて、「アフリカの人たちは自殺という観念が薄い」という話を思い出しました。赤道ギニアのように抜きん出て多い国もありながら、おおむねアフリカ勢は自殺が少ない。楽観的でめげないとも言えますし、すぐに外に出すので、うちに籠もらないとも言えそうです。

でも、繰り返し注意しておきますが、これを見て、「貧しくても明るく前向きに生きる理想郷」と思うと大きな間違い。前向きに生きようとしても子どもたちは病気で死ぬし、大人も強盗に殺されます。すぐに表に出すのでプロテストも激しく、警察に撃たれて死にます。

政府も役人も腐敗し、新植民地主義がジワジワと国を蝕んでいて、解決が容易ではない問題が山積みです。それもまたケニアの現実ですから、どっちも見た方がよい。

 

 

チェカTVの炊き出しマゴソスクール編

 

vivanon_sentenceマゴソスクールや早川千晶さんのことはこの番組に限らず、メディアでよく取り上げられているようですが、私が知ったのはチェカTVでした。

YouTubeで世界を近くする試み—ケニアのチェカTVを推す」に続いて、以下もチェカTVによる炊き出しです。

 

 

 

 

シャンギリアに比べて、マゴソスクールは狭く、建物もオンボロに見えます。しかも生徒数はシャンギリアの2倍。あちらは学校と住居が一体のため、不便な場所にあっても支障がないのに対して、こちらはスラムの中の学校で、通っている生徒もいます。土地がない中、広げることは難しいのでしょう。

この日はおそらく休日で、子どもたちは私服ですが、服装もシャンギリアの方がこぎれいで、女子の髪型にも余裕が見られます。シャンギリアではスケボーまでやってましたよね。ここには支援体制の違いもありそう。ヨーロッパ各国の支援は手厚いんです。

箱が立派だったら立派な人間が育つわけではなく、もしそうだったら日本は立派な人間ばかりです。メシさえ食えれば子どもは学べる。とは言えども、金がないと病院にも行けない。だからケニアでは老人をあまり見かけないし(その前に死ぬ)、子どもの死亡率も高いはずです。

そこに理不尽なものを感じる人はマゴソスクールに寄付するとよいと思います。寄付は「マゴソスクールを支える会」が受け付けています。

何を優先するのかは個々人で決定すればいいですが、私は犬猫より人間の方が大切だと思うので、寄付する金があるんだったら、ペットレスキュー団体より、こういう学校か、難民に寄付したいし、もっと寄付したい団体があります。これについては数回あとでやります。

※子どもが描いていたレインボー。LGBT仕様ではなく、ただの虹です。南アなど一部の国を除いて、アフリカでは同性愛は法で禁じられていて、ケニアもそのひとつ。これもアフリカの負の現実。子どもたちの中にも確実にいるわけですが、国民の意識の反映ですから、一朝一夕では変わらない。そのためにも教育が必要。

 

 

同じ場所を訪れることができることの意義

 

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上は2020年9月。以下は今年の8月。

 

 

 

給食のおばちゃんのエプロンとマスクがいいな。

この回もマゴソスクールです。ここが大事だと思いました。

スラムの炊き出しや親のない子どもの施設で炊き出しをやるYouTuberはよくいるのですが、炊き出しも大きく二種類あって、縁もゆかりもない人がやるのは体よく言えば一期一会。対してその地に縁がある人がやるのは始まりとしての炊き出しです。チェカTVがやっているのは「すでに始まっている炊き出し」です。

 

 

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